【複合】五輪102年の歴史途絶える「なんで自分たちの競技なんだろう」渡部暁斗氏 

複合の30年五輪除外を受けて取材に対応する渡部暁斗氏

国際オリンピック委員会(IOC)は7日、30年フランス・アルプス地域で行われる冬季五輪の実施種目を発表し、ノルディックスキー複合の除外を決定した。

昨季限りで現役を引退した五輪3大会連続メダルの渡部暁斗氏(38=北野建設スキー部GM)が8日、取材に対応し「悲しさと悔しさと、行き場のない怒りみたいなものが正直心の中から湧き上がっている」と、率直な思いを口にした。

複合は1924年第1回シャモニー五輪から実施され、歴史がある。ジャンプと距離で争う伝統競技で、欧州では優勝者は「キングオブスキー」とたたえられる。日本は過去団体での金メダル2個を含む7個のメダルを獲得した。2月のミラノ・コルティナ大会まで6大会連続で五輪に出場した同氏は、IOC関係者に存続を訴えるなどの働きかけをしたが、届かなかった。「なんで自分たちの競技なんだろう」とやるせなさをあらわにした。

男子のみの実施が、男女平等を推進するIOCにはマイナスだった。「もっと早くから女子種目を普及させるように努力してきていれば、こんなことにならなかった」と複合界の反省点を挙げた。

4年後の目標を失った現役選手に向けて「彼らにはちょっと今かける言葉は見当たらない」と思いやる。五輪から外れることで競技規模の縮小、ジャンプへの転向による選手流出などが予想される。海外遠征費の選手の自己負担が増える可能性もある。今後34年五輪の復活を目指すことになるが「厳しい道になるんじゃないかな」と、すぐに気持ちの切り替えはできない様子だった。【保坂果那】