<バレーボール・ネーションズリーグ(VNL):日本3-0アルゼンチン>◇19日◇男子1次リーグ◇最終戦◇Asueアリーナ大阪
世界ランキング4位の日本が、同14位で21年東京五輪銅メダルのアルゼンチンをストレートで退け、史上初となる1次リーグ12戦全勝を達成した。主将の石川祐希(30)は、驚異のアタック決定率83・3%で両軍最多21得点を記録。第1、第2セットの最後の1点を決めるなど、勝負どころで圧倒的な決定力を示した。
切れ味鋭いスパイクを次々と突き刺したが、本人に特別な感覚はなかった。ハイセットでブロック3枚を抜き、崩れた体勢からでも迷わず打ち抜いた。もはや誰にも止められない勢いだったが、「打てるボールはしっかりと強くハードヒットすることを心がけているし、その球に対して打ち切る能力は自負しているところはある」と説明。「リスクを取って打ちにいっているつもりはあまりない。点を取れる球だから打ちにいっているという感覚」と、思考はシンプルだった。
開幕から続く無敗の連勝記録を12に更新。既に首位通過を決めて迎えた最終戦でも、気持ちが緩むことはなかった。「モチベーション的に難しいということは全くなくて、ファイナル前に勝って進みたいですし、この日本でやれる環境がアジア選手権につながる。選手全員、気持ちが入っていた」と明かした。
日本は今大会、ポーランドや米国、フランスを破り、大阪ラウンドでは世界選手権2連覇中のイタリアにもフルセット勝ち。カナダ戦では主力が苦しむ中、先発メンバーを大幅に入れ替えて2セットダウンから逆転勝利を収めた。主将は「毎年集まるごとに、各選手がクラブシーズンでの立場や環境が変わり、試合に出る回数も増えて、チームの中心選手になっている」と要因を分析。「一人ひとりのレベルアップが積み重なって、誰が出ても勝てる状況にある」と成長を口にした。
12勝のうち、実に半分の6度がフルセットゲームだった。その中で「運だったり偶然というものは間違いなくあるが、勝ち切れることは決して偶然ではない」ときっぱり。「出た選手が個人としても、チームとしても、自分たちのパフォーマンスを最大限に発揮できていることが、苦しい中でも勝てている要因」と胸を張った。
ただし、全勝は最終目標ではない。まずは29日から中国・寧波で行われるVNL決勝トーナメントに臨むが、今季最大の焦点は9月に福岡で行われるアジア選手権に定めている。優勝すれば28年ロサンゼルス五輪の出場権を獲得できる大会で、「VNLで負けてもアジア選手権でしっかり勝てればいい。逆にVNLで優勝してアジア選手権で負けると、正直意味がない。あくまでアジア選手権が一番大事」と断言した。主将にとって、連勝や数字は、頂点へ向かう過程の一つにすぎない。
【勝部晃多】