<スーパーGT第5戦>◇決勝◇23日◇三重・鈴鹿サーキット
GT500クラスは、予選4位の16号車#16 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(野尻智紀/佐藤蓮)が逆転で優勝した。37周目にトップを奪い、52周を走りきった。2位はポールポジションの17号車Astemo HRC PRELUDE-GT(塚越広大/野村勇斗)、3位は8号車#8 ARTA MUGEN HRC PRELUDE-GT(太田格之進/大津弘樹)だった。前戦から勢いに乗るホンダ車が、ホームコースの鈴鹿で初めて表彰台を独占した。
佐藤は一瞬のスキを逃さなかった。37周目、トップの塚越が前を走るGT300クラスのマシンにつまりながら右からかわした瞬間だった。佐藤はスピードを落とすことなく左から一気に抜き去った。ピットでモニターを見ていた野尻が思わず「やった!」と声を上げた。残り5周で、時速80キロ制限で追い抜き禁止になるフルコースイエローとなり、セーフティーカーに先導されながらトップチェッカーを受けた。
佐藤はスタンドの応援団に向かい「初優勝しました!」と両腕を突き上げた。前日の公式予選では途中までトップタイムをマークしながら、勢い余ってふくらんでしまい、4つのタイヤ全てが規定のコース外に出てしまう失敗で抹消に。「絶対ポールを取れる車を用意してもらいながら自分のミスで逃してしまったので、決勝では絶対に取り返さないと思っていた。本当に最高です」。汚名返上の勝利だった。
24年第4戦(8月・富士)以来で、現役最多記録を更新する12回目の優勝となった野尻も「勝ちました!」と右手をスタンドへ突き上げた。4番手スタートから2台を抜き、2位で佐藤にバトンタッチ。「昨日、蓮が悔しい思いをしてたので、挽回(ばんかい)だけして1台だけは残しておこうかなと。蓮も果敢に攻めていってくれたので、本当に会心の勝利でした」と喜んだ。
3カ月の間隔が空いて迎えた前戦で初優勝を飾ったプレリュードが、今回は表彰台を独占。土屋圭市監督は「ホンダが悪いところを1000分の1ミリずつ洗い出して、ドライバーもエンジニアもメカニックも良い仕事をしてくれた。全体でホンダ・プレリュードが速くなったでしょ。今後楽しみ」と言った。これで33ポイントとし、総合順位でも2位に浮上した。首位を走るトヨタ・スープラのau TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太)との差は17に縮まった。逆襲が続きそうな勢いだ。