【競泳】日本記録持つ17歳の大橋信が100m平泳ぎで金メダル獲得 同種目で日本勢2大会ぶり

男子100メートル平泳ぎ決勝 金メダルを獲得し、写真に納まる大橋信(撮影・鈴木みどり)

<愛知・名古屋アジア大会:競泳>◇21日◇東京アクアティクスセンター◇男子100メートル平泳ぎ決勝

初出場の大橋信(17=枚方SS)が58秒64で金メダルを獲得した。自身が持つ日本記録には0秒10差で、董志豪(中国)と同着1位だった。シニア国際大会で初タイトル。同種目の日本勢では18年ジャカルタ大会で平泳ぎ3冠を達成した小関也朱篤以来2大会ぶりの頂点に立った。

フィニッシュ直後の大橋は優勝を確認するまで時間がかかった。中国の大歓声が上がり、電光掲示板で董の着順1番が目に入り「終わった」と絶望。だが自身も1番。前半50メートルでトップに立ち、後半は追い上げられるも逆転を許さなかった。「最後まで諦めずに泳げた」と振り返った。

予選では59秒38で1位通過。「思ったより速かった。予選は決勝でどれくらいでいけるかの確認だったので、何秒で出そうとかはなかったけど、良かった」と集中していた。57秒69のアジア記録を持つ中国の覃海洋(タン・カイヨウ)と対峙(たいじ)する決勝に向けて「58秒台は出ると思うので、あとは勝負で負けないように」と、宣言どおりのタイムを出すも、満足せず。「タイムはあまり良くないし、納得のいく泳ぎではなかったので、少し悔しい」と残念がった。

4日前に39度の発熱があった。回復するも万全で臨めなかった。メンタル面で上げきれずレースを迎えた。「体調不良がなければ…。結構良い練習を積んでいたので。その気持ちで泳げていたら」と悔やんだ。

8月のパンパシフィック選手権(米アーバイン)でシニア国際大会デビューを果たし、日本新記録58秒54をマークして銀メダルを獲得した。28年ロサンゼルス五輪での活躍が期待されるホープだ。

平泳ぎで五輪2大会連続2冠の北島康介氏は「小柄で持久力もあって、スピードもあって、魅力ある選手」と評価。水に対して低い抵抗を意識した泳ぎを追求した同氏に対し、速いピッチで突き進む大橋。「世界中からしてみたら怖い選手の1人にこれからなってくるし、それがこのアジア大会でどんな形で証明してくれるのか楽しみ」と期待される。

02年アジア大会で二十歳で初めて世界記録を出した北島氏を意識する。「世界記録を出さないとそのルートには乗れないと思っているので、それもあって世界新を出したいという思い」。本命の200メートルで勝負する。【保坂果那】