愛知・名古屋アジア大会、朝鮮大学校の学生が運営ボランティア「想像以上の経験」

愛知・名古屋アジア大会の運営ボランティアに、朝鮮半島にルーツを持つ朝鮮大学校(東京)の学生が参加している。日本と国交のない北朝鮮は今回、訪日選手団として過去最大規模の約180人を派遣。サポートした学生は「想像していた以上の経験をさせてもらっている」と口にした。

きっかけは1年前に、教員からボランティア募集の話を聞いたことだった。在日3世の徐弥伶さん(20)は、新型コロナウイルス禍の影響もあり、一度も北朝鮮に行ったことがないという。「大会で祖国の人に会ってみたい」との思いで今回参加した。

選手と接すると、朝鮮語でも聞き慣れない方言は何度も聞き直して、やっと耳が慣れてくるという。「大会で見た祖国の人の姿を、学校に帰って話したい」と語った。

大会期間中、選手団は日本の当局の管理下に置かれ、会場への移動方法など予定の変更は認められていない。陸上のマラソンに同行した際、悪天候の影響で帰りのバスが遅れた。別の手段で帰ることも許されず、2時間ほど屋外で待たされたという。徐さんはその状況を見て、仕方のないこととのみこんだ上で「選手にとってはあんまりだ」と暗い顔で話した。

国際交流を楽しむ学生もいる。曹永武さん(19)は、マカオ選手団のボランティアとして活動。現場で国籍を問われた際に答えると、温かい反応があったという。「僕たちの祖国が差別を受けたり、悪い感情だけを持たれたりしているわけではないのか」と驚き「一人の人間同士では差別もなく、手を取り合っていけるのかな」と胸の内を明かした。