【ソフトボール】日本7連覇!上野由岐子の後継者、後藤希友が完封「通過点」ロス五輪でV3へ

ソフトボール決勝 日本対中国 4回を投げ終えた日本先発の後藤希友は捕手山内早織を指さす(撮影・滝沢徹郎)

<愛知・名古屋アジア大会:ソフトボール:日本7-0中国>◇3日◇決勝◇デンソーブライトペガサススタジアム

ソフトボールは3日、愛知県安城市のデンソーブライトペガサススタジアムで決勝が行われ、日本が前人未到の7連覇を達成した。中国に7-0の5回コールド勝ち。最年長44歳、上野由岐子投手の登板こそなかったが、先発左腕の後藤希友投手(25=戸田中央)が完封した。無傷の8連勝で02年釜山大会からの王座を守り、野球とともに復帰する28年ロサンゼルス五輪へ弾みをつけた。日本が獲得した金メダルの総数は、柔道混合団体が優勝した時点で、新記録の79に到達。66年バンコク大会の最多78個を更新した。大会は4日の閉会式で幕を閉じる。

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強すぎた。日本が圧巻のV7。連覇が始まった02年から出場し、この日はキャッチボールで救援に備えていた鉄腕上野も、思わず苦笑いした。「コールドで終わるとは思わなかった」。63歳の宇津木監督も「必ず上野で締めてもらいたい」と思い描いていたが、リード5点で迎えた5回2死満塁から藤本が中前へ2点適時打。二走の川村が7点目のホームを踏んで確定させた。指揮官も手で口元を隠すほど驚きの表情だった。

相手の中国とは前日2日の予選ラウンド最終戦で全勝対決。7-6の辛勝だっただけに激戦が予想されたファイナルで貫禄の投球を見せたのは、サウスポー後藤だった。初回から緩急を使ってコースを突き、クレバーに打者を手玉にとって3人で切る。4回は2連続奪三振で5回2安打5奪三振。「相手に気を取られすぎず、自分のパフォーマンスを発揮することに集中しようと。一番集中できた」と地元の愛知で快投した。中国は21年東京五輪の金を分かち合った“女イチロー”こと山田恵里氏がコーチを務めていたが、その強力打線に隙を与えなかった。

東京五輪の後、上野の「後継者」と呼ばれてきた後藤。本人は違う。「上野さんが現役である以上は、たぶん追い越すことはできない」と尊敬し続ける。強化合宿でマンツーマン指導を受け、試合では観客の歓声を巻き起こす存在。そんな背中を見てきたからこそ、後藤も「私もそういう人になりたいし、吸収できるうちにしておかないと」とエースの自覚をのぞかせた。

振り返れば5年前の東京五輪は、新型コロナ禍で無観客。静寂の中での金だった。94年広島大会以来32年ぶりの国内開催となった今大会は、決勝のチケットが完売。西日に照らされて輝いた金には惜しみもない拍手が送られ、歓声がスタンドから降り注いだ。7連覇を「神様からのご褒美」と言った上野は「電車を乗り継ぎまでして応援しに来てくれたファンもいた。心強かった」と感謝を込めた。

11月には宿敵米国との対抗戦も予定しており、復活するロサンゼルスでは3連覇を目指す。「私がいなくても、もっと頼もしい全日本チームになってくれることに期待したい」と上野が言えば、後藤も応える。「上野さんを出すまでもないと思わせるようなピッチングができたら。今日は通過点」。無敵のアジアを卒業して2年後は、ソフトボールの本場米国へ世界一を証明しにいく。【泉光太郎】

○…日本の宇津木監督と主将石川が試合後に会見し、7連覇への喜びを口にした。5回コールド勝ちの幕切れに驚いていた指揮官は「正直、満塁になった時にここで勝っていいのかと考えてしまった。でも昨日は6点も取られたのでこのまま終わってもいいのかな」。3点リードの4回2死一、二塁から2点適時三塁打を放った石川は「五輪や次の大会に向けていい大会になった。7連覇で次世代につなげられてホッとした」と総括した。