地下鉄バリアフリー道半ば名古屋、パラ大会開催も

愛知・名古屋アジアパラ大会が開かれている名古屋市で市営地下鉄のバリアフリー化が道半ばだ。車両とホームとの段差や隙間が縮小されていない駅が目立ち、車いすでの乗降には駅員の介助やスロープが必要なケースも。車いすを日ごろ使う市民からは早期対応を訴える声が出ている。

市交通局はバリアフリーの一環として、全駅でエレベーターを使いホームから地上へ移動できるルートを整備。9月開幕のアジア大会を前に、メイン会場「パロマ瑞穂スタジアム」近くの駅に30人乗りの大型エレベーターを設けた。

一方、ホームと車両乗降口との段差や隙間は依然として課題だ。乗降口の数は路線によって異なるが20前後あり「全ての乗降口、全ての駅」で段差などを縮める対策が施されているのは、名港線など2路線にとどまる。

繁華街の栄などを経由し市内を環状に通る名城線でも大半の駅で対策を実施。桜通線でも順次、整備を進める。

だが市の東西を結び名古屋駅も通る東山線と、観光客に人気の大須商店街(同市)の近くなどを走る鶴舞線では、ほとんど進んでおらず、全駅で対策が完了する見通しは立っていない。車両が複数種類あり、床の高さの差が大きいことが理由という。

車いすで安全に乗り降りするには、乗車前に駅員へ目的地を伝え、スロープを用意してもらう必要がある。

「愛知県重度障害者の生活をよくする会」の石田長武会長(56)は電動車いすを使い通勤している。市営地下鉄の全駅で段差などが縮小されたわけではないため「乗車は1人でできても、駅によっては降車できない恐れがある」と懸念。

大会期間中は車いす利用者が増え、駅員の人手が足りなくなる可能性もあると指摘し「今後の大きなイベントに備え、できるだけ多くの駅で対策を進めてほしい」と話す。(共同)