【アメフト】Xプレミア今季8戦全勝の首位が佳境で出場辞退「断腸の思い」契約違反のオービック

オービックの選手たち(2026年5月撮影)

社会人アメリカンフットボール国内最上位、今季創設のXリーグプレミアで首位を走るオービックシーガルズが29日、今季の残り試合出場を全て辞退すると発表した。

昨季、日本一を決めるライスボウルに出場した強豪。今シーズンも5月の開幕から8戦全勝で首位を走っていたが、上限4人に定められたプロ契約選手の人数制限違反などが夏に発覚。チームの代表やGMが資格停止処分を受けていた。

この日、Xリーグを統括する日本社会人協会から一連の問題に対する最終的な調査と裁定の結果が出されたことを受け、オービックは公式ホームページに「日本社会人アメリカンフットボール協会からのリリースおよび今後の対応について」との声明を掲出した。

プロ契約選手の人数制限違反や非協力的な姿勢について8月28日付と9月11日付で処分された以外に、追加処分がないことが協会から発表され、全ての調査と審議が正式終了。今回は、継続で調査対象となっていた2選手が「プロ選手には該当しない」と裁定されたものの、チームとして「2回の処分を含む一連の件によってXリーグ関係者の皆様はもとより、多くのアメリカンフットボールファンの方々にご心配とご迷惑をおかけしました」と認め、改めて陳謝した。

そして「これまでの経緯を踏まえれば、関係者の皆様の間に生じた当チームに対する疑念あるいはご懸念を完全に払拭することは容易ではなく、今シーズン、このまま活動を継続することが果たして望ましいのか、かねてより慎重に検討を重ねてまいりました」と明かし「仮に今後、選手たちが優れた結果を残したとしても、それを関係者の皆様に心から喜び、祝福していただける状況にはないとすれば、それは当チームが目指すアメリカンフットボールの姿ではありません。当チームは、関係者の皆様との信頼関係を改めて築き、選手たちが誇りを持ってアメリカンフットボールに打ち込める環境を整えることこそが、今、果たすべき責任であると考え、今シーズンの試合出場をすべて辞退することを決断し、その旨を協会に申し出ました」と急転の決断を報告した。

この決定で期待に応えられなくなる支援者に「心より深くお詫び申し上げます」と謝罪した上で「日々、血の滲むような努力を重ね、ひたむきに競技に取り組んできた選手たちのことを思えば、今回の決断はまさに断腸の思いですが、今後は、今回の経緯を真摯に受け止め、関係者の皆様との信頼関係の回復に努めるとともに、選手・スタッフが一丸となり、来シーズンの再出発に向けて全力で取り組んでまいります」と出直しを宣言。「より一層の努力を重ね、さらに強く逞しいオービックシーガルズとなって皆様のもとに戻ってくることを誓います」と約束した。

アメフト界では実際、このままオービックが勝ち続け、仮に日本一となった場合に手放しで祝福していいのか、という疑問の声が上がっていた。その状況もオービックは念頭に置いており「選手たちが再び多くの皆様から心からの祝福と声援をいただけるよう、引き続きご理解とご支援を賜りますことを、心よりお願い申し上げます」と締めくくった。

Xリーグプレミアは、社会人最高峰Xリーグが設立30周年を迎えた今年、新たに創設された。戦力均衡のため、各チームのプロ選手数を4人で統一。これに違反したとされ、オービックの当該選手も厳重注意を受け、出場を自粛する選手も出ていた。一方で正式な米国出身プロや有力日本人の活躍で、既にプレーオフ進出を決めていた。今季優勝の最右翼で、ここまで出場を強行してきたが、レユラーシーズン残り3節(延期分を含む)と来月末から始まるライスボウルトーナメントを前に、今季は表舞台から去ることを決断した。