【スポクラ】今年も元世界王者の緒方良行が現地解説中「女性の方が登れる時も」登頂のポイントは

ワールドクライミング・グランドフィナーレ福岡2026の現地解説を務めている緒方良行。大会公式キャップをかぶって笑顔(撮影・木下淳)

<ワールドクライミング:グランドフィナーレ福岡2026>◇7日◇最終日◇飯塚市・筑豊緑地公園◇チームボルダー決勝

スポーツクライミングの今季最終戦として日本で2年連続開催されている、世界最初の男女混合団体・国別対抗戦の「ネーションズ・グランドフィナーレ」が開幕した。

ボルダーでワールドカップ(W杯=現ワールドシリーズ)2年連続総合優勝を誇る、世界のトップクライマー緒方良行(28)が今大会も現地解説。地元福岡県の久留米市出身で「くるめふるさと大使」を務める第一人者に、大会の魅力や展望を聞いた。【聞き手=木下淳】

-昨年、世界初として実現した団体戦。普段の個人戦とが違う見方、面白さは

緒方「やっぱり一番は、男女が同じチームにいて一緒にチャレンジするところかなと思います。一般的には、男子の方がどうしても競技力が高いんですけど、今大会はミックス(混合)で男子と女子が全員で課題にトライするフォーマットがあって。女性の方がバランス力があったり、柔軟性があったりするので、もしかしたら男性選手が完登できないようなコースでも、登れる可能性がある。独特のルールで楽しい。この大会ならでは、と思います」

-昨年も現地解説した

緒方「面白かったです。やっぱり、先ほども言ったように、男子が1回、落ちちゃって、でも女子が直後に完登したり。あとは、普段の公式戦と比べると会話もある(チーム戦として情報共有が認められている)ので、いい意味でカジュアルにクライミングを楽しんでもらえると思います」

-ボルダー種目の注目ポイントは

緒方「そもそも種目の説明からさせていただくと、ボルダーの壁は5メートルぐらいの高さで。制限時間は基本的に5分間。その間に何回でもトライしていいんです。もちろん1回、落ちるたびに減点にはなってくるんですけど、言ってしまえば「落ちる設定」になっているので、難易度はすごい難しいです。その難しさを実際に直視できる種目がボルダーかな、と思います。自分も昨年は、ルートセッターというコースを作る責任者の方に聞かれて、一緒に入って『これぐらいならいけるんじゃないですか』という助言などもさせてもらいました。実際に自分がテストしてみたり」

-「ホールド」と呼ばれている突起物、石をつかんだり、足をかけたりしながら登っていく競技です。コースは、日本では「課題」と表現される。その中で、突起物の石をつかむところなど細かい注目ポイントは

緒方「石は、大きいものから小さいものまであるんですけど、大きいから持ちやすいわけでもなく、大きくて反対に持ちどころがない石もあるので、その石、ホールドは、実はサイズがそこまで関係しているわけではない部分は、見てもらえると面白いかもしれません」

-頭の回転もしながら

緒方「頭は使うと思います。そのルートセッターという方が、コースを作成するんですけど、そのルートセッターの意図というか。なぜ、ここにこのホールドがあるんだろう、とか、このホールドは何のためにあるんだろう、という“メッセージ”をくみ取ることも大切です。1回、落ちてしまったとしても、再挑戦しながら探っていく魅力もありますね。一方で、体力はもちろん減っていくので。5分間の中で、体力もなくなっていく中での駆け引きや挑戦には個性が出ます。いざルートを読み解けたとしても、消耗していて体現できなかったり、もあるので、もちろん執念で完登する姿も素晴らしいですし、終盤も見どころです」

-普段は、他選手が課題に挑んでいる姿は見ることができない。登頂の戦略を見た後に登る方が有利なため。しかし、この大会は許容されている

緒方「基本的に他の国のセッションは、裏で待機してて見られないです。チームメート同士では情報交換しながら。ただ、今回のフォーマットはOKなので、他国の人も見ていましたよね。その上で男女、チームが力を合わせて登っていく戦術を、ぜひ楽しんでいただきたいです。

■大会名称 ワールドクライミンググランドフィナーレ福岡 2026(World Climbing Nations Grand Finale FUKUOKA 2026/World Climbing Para Series FUKUOKA 2026)

■日程 2026年11月5日(木)~8日(日)

□5日(木)パラクライミング予選

□6日(金)パラクライミング決勝

□7日(土)午前9時30分~チームボルダー予選、午後2時30分~決勝

□8日(日)午前9時30分~チームリード予選、午後3時~決勝、午後7時~クロージングバンケット

※7、8日の予選と決勝は入れ替え制で、それぞれチケットが必要

■会場 筑豊緑地公園/いいづかスポーツ・リゾートザ・リトリート(福岡県飯塚市仁保8の37)