<スーパーGT第8戦>◇公式予選、決勝◇8日◇栃木・モビリティリゾートもてぎ
GT500クラスは100号車STANLEY HRC PRELUDE-GT(山本尚貴/牧野任祐組)がポールトゥウインで今季3勝目を挙げ、2020年以来6年ぶりの総合優勝を決めた。
4連覇を目指した36号車au TOM’S GR Supra(坪井翔/山下健太組)とのマッチレースを制した。36号車はクラッシュもあり最下位の14位となった。36号車に開幕2連勝のスタートダッシュを許したが、第4戦(8月・富士)の優勝から逆襲に出てタイトルを奪った。
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ピットウォールに上がり、ホームストレートに戻ってきた牧野を見守る山本は泣いていた。「やり切りました。シーズン序盤は、まさかこういう結果を迎えられるとは思っていなかった」。苦しみぬいた末の栄冠だった。
ホンダは今季、シビックから満を持してプレリュードを投入した。スポーティーカーで空力の向上も期待されたが、開発に時間を要し山本、牧野組は開幕戦7位、第2戦8位と入賞がやっと。一方でライバル36号車は開幕2連勝を飾り、史上最多を更新する4連覇へ独走の予感が漂った。
転機は、イラン戦争による石油危機での第3戦セパン(6月・マレーシア)の中止だった。車の熟成にかける時間ができ、3カ月後の第4戦で優勝して手応えをつかんだ。山本は「特に序盤の2戦で苦しい中、チーム、ホンダのスタッフのみなさん、車のデータを解析して素晴らしいシミュレーターを作ってくれた」と感謝した。前日のレースを終えて今季初めて総合順位でトップに浮上。2ポイント差のライバルと、サクセスウェートのない勝てば王者となるマッチレースの最終戦までこぎつけた。
午前の公式予選に挑んだ牧野は「この2日間はプレッシャーも感じてたし、自分の予選次第で全部変わると思っていた」と言ったが、重圧をはねのけてポールポジションを獲得。2位のライバルをリードした。決勝もスターターの山本が宣言通り逃げに逃げた。同一周で入ったタイヤ交換では1秒早くピットアウト。バトンを受けた牧野はミスなく走りきってトップチェッカーを受けた。小島一浩監督は「夢のようです」と言った。
有言実行となる優勝しての王者決定。山本が「任祐と取れて本当によかった」と言えば、涙の牧野も「絶対このチームで尚貴さんと一緒にチャンピオンを取りたいと思っていた」と思いは同じだった。チームを率いてきた高橋国光総監督は4年前に82歳で亡くなった。山本は「墓前に報告に行かないと。クニさん、ありがとうございました」と、この時ばかりはうれしそうに笑顔を見せた。