第98回全国高校ラグビー南・北北海道大会(20日開会式、遠軽町・えんがる球技場)の組み合わせ抽選会が19日、同町内で行われた。昨年2年生主体のチームで北大会準優勝の旭川龍谷は、初戦で旭川工と対戦が決まった。準Vメンバー11人がそのまま残った現チームは冬場の徹底したフィジカル強化で、今夏には7人制の全国大会にも初出場。39年ぶりの全国大会(12月27日開幕、大阪・花園)出場へ挑む。

スタミナと脚力を武器に旭川龍谷が夢舞台をたぐり寄せる。この日午前まで、旭川市内で練習。決戦の舞台と同じ人工芝グラウンドで最終調整して遠軽町の宿舎に移動した。1回戦の相手が旭川工に決まり、小西良平監督(41)は「旭川支部決勝(71-7)であたった相手。その時出た課題を修正できたか確認できると切りかえて臨みたい」と気を引き締めた。

昨年は北大会決勝で中標津に敗れた。湯口龍雅主将(3年)は「細かいところのミスが多かった。部の伝統の走り込みを改めて徹底した」という。昨年の主力11人が残ったチームは「(花園で)Bシードに挑戦」を目標に掲げ、花園出場は前提という強い覚悟で練習に取り組んできた。

監督が掲げる「60分間走り回れるチーム」を目指し、冬場は徹底的に体をいじめた。4階建ての校舎の階段約80メートルを40秒で昇降する練習を25セット。「吐く選手もでるほどだった」(湯口主将)というメニューに加え、フィジカルも強化。FW陣の体重は平均で70キロ台から80キロ台に。当たり負けない肉体を目指した。

もともと100メートルの自己ベスト11秒台後半が4人、12秒台前半5人を擁する韋駄天(いだてん)軍団だ。7月には7人制の全国大会に初出場し4勝を挙げた。「自分たちのラグビーがセブンズではかなり通用した」(湯口主将)。ボールを速く展開するスタイルで新チーム結成後は公式戦20勝4敗と結果を残している。

78、79年の花園出場校だが、一時期5人まで部員が減少し、14年は合同チームで大会に臨んでいた。地元のラグビースクールと連携を強化し、現在は部員32人。ほとんどが旭川市と近郊出身。「(周囲からの)プレッシャーは去年よりも相当あるけど、まずは花園を決めたい」と小西監督。まずは39年ぶりの全国出場を目指す。【浅水友輝】

◆旭川龍谷の躍進 全国高校ラグビーで、13年は旭川地区1回戦で旭川工に0-98で敗退。14年は旭川東と合同チームを組み、地区1回戦で敗れた。15、16年は北大会出場も1回戦で敗退。17年は1回戦で北見工、準決勝で帯広柏葉を撃破。中標津に7-24で敗れたが、33年ぶりの決勝進出だった。花園出場は78、79年の過去2度で、79年1回戦で諫早農(長崎)に勝利している。

◆旭川龍谷の全国高校7人制大会VTR 7月21日から始まった予選では東海大福岡(福岡)に10-38、浜松工(静岡)に31-19の1勝1敗。予選2位のチームによるプレートトーナメントでは平工(福島)に43-7で勝利し、土佐塾(高知)に21-26で敗戦。プレートトーナメント5位決定戦では三本木農(青森)、岐阜工(岐阜)を下した。通算4勝2敗だった。