15季ぶり優勝を目指す神戸製鋼が66-37で豊田自動織機を下し、1試合を残して決勝トーナメント(T)進出を決めた。元ニュージーランド代表の世界的SOダン・カーター(36)が左太もも裏の故障から3戦ぶりに復帰し、レッドカンファレンス(紅組)首位キープ。紅組のトヨタ自動車、サントリー、ホワイトカンファレンス(白組)のヤマハ発動機、リコー、クボタも新たに各組上位4チームの決勝T進出が確定した。

今季の神戸製鋼は本物だ。7-6の前半20分、相手陣10メートルライン付近でSOカーターが仕掛けてスイッチを入れた。体重110キロのプロップ平島が走り込み、相手防御ライン裏で身長190センチのWTBアンダーソンが疾走。最後は絶妙のフォローでSH日和佐がインゴールに飛び込んだ。計10トライで決勝Tを決め、故障明けで7ゴール14得点のカーターは「選手全員がよく働いている」と評した。

ニュージーランド代表のコーチで2度のワールドカップ(W杯)優勝に導いたスミス総監督が今季から就任。的確にスペースを突き、フォローの選手が次々と走り込むスタイルをカーターが中心で操る。豊田自動織機ホールデン・ヘッドコーチ(HC)は「神鋼は決勝に行けるチーム。全メンバーが脅威だ」。6試合の総得点は305となり、221得点で2番手のNTTコミュニケーションズを大きく引き離した。神戸製鋼ディロンHCはちらつく頂点について「早すぎる」とコメントなし。地に足をつけ、さらにギアを上げる。