花園準優勝の桐蔭学園が東海大相模を52-0で破り決勝に進出、2月9日(土)に開幕する関東大会への出場を決めた。

新チーム初戦となった14日の準々決勝では、10トライを奪って快勝した桐蔭学園は、この日も8トライを奪い、東海大相模に力の差を見せつけた。

チーム内の連係がうまくいかず、立ち上がりは敵陣に攻め込むも、なかなかトライを奪えなかった。チャンスをミスでつぶしていく展開に藤原秀之監督(51)が「何やってるんだ!」と活を入れた。それを聞いた選手たちはお互いに声を掛け合い、集中してプレーするようになった。前半15分にロック青木恵斗(1年)が中央左にトライを決めると、その後もCTB石塚勝己(2年)の3トライなどで突き放した。

準優勝から1週間後に新人大会を迎えた。藤原監督は「チームとしてまだ何もできていない。FWはフィジカルが弱い。バックスもこれから。適性を見ている段階」とポジションやメンバーの入れ替えを示唆した。

花園での東福岡戦で右手を負傷したU17日本代表で新主将のFB伊藤大祐(2年)は練習すらできていないが、裏方に回りチームを支える。前主将の小西泰聖(3年)からは「自分流のチーム作りをしろ」とアドバイスを受けた。24人と人数が少ない2年生。同級生だけでなく下級生ともコミュニケーションをとりながらアドバイスすることを心がけている。

花園に主力として出場したプロップ床田淳貴(2年)は新チーム結成後初出場。主将がいない中、ゲームキャプテンとして、チームをまとめている。昨年小西主将がケガで離脱中にチームを引っ張ったロック今野勇久(3年)らに、主将がいないときのまとめ方などの相談をした。関東大会までは事実上のキャプテンとなる。後半開始早々には自ら2トライを奪い、チームに勢いを付けた。「絶対的な存在の伊藤がいない間に自分たちがどれだけ1つになれるか。戻ってきたら最強のチームになるようにする」と力強く語った。

未完成のチームではあるが、誰が出ても同じパフォーマンスができるのが桐蔭学園だ。本調子でなくても東海大相模相手に無失点。普段から鍛え上げられたディフェンスで相手を圧倒した。これから春に向けて激しいレギュラー争いが始まる。来月からの関東大会後には3連覇がかかる全国選抜大会も控えている。花園で準優勝に終わった先輩たちの悔しさを自分たちのうれし涙に変えるため、桐蔭学園は新たな目標に向かって進み始めている。