9月開幕のW杯日本大会に臨むラグビー日本代表は19日、宮崎市内で行う強化合宿の第1クールを終えた。

ジェイミー・ジョセフ・ヘッドコーチ(HC、49)は11日間を「非常にいい合宿」と評価。15年W杯代表のFB松島幸太朗(26=サントリー)については、今クール取り組んだWTB、構想にあるCTBとの“三刀流”に期待した。代表は23日に再集合。7月17日まで3クールに分けて、宮崎でみっちりと鍛え上げる。

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非公開の午前練習を終え、汗だくで引きあげる選手。その最後にジョセフHCが姿を見せた。第一声は「非常にいい合宿を過ごせた」。朝昼晩の3部練習で個の基礎力に加え、スクラムなどセットプレー強化に多くの時間をさき「W杯まで90日以上もあるので、そこに向けて着々と準備しているところ」とうなずいた。

開幕まで100日を切ったが、将は常にチーム作りのピークをW杯に据える。ジョセフ体制で主にFBを担ってきた松島は、今クールの戦術練習でWTBに入る場面が急増。さらには「CTBで起用する構想もある」と、あらためて“三刀流”への期待も込めた。

現在42人の代表はW杯で31人に絞られる。大会中の故障や戦術面の優位性を考える指揮官は、複数の位置をこなせる選手を求めており「いろいろな経験をさせるには、この時期が一番いい」。松島も「今、FBはあまりやっていないけれど、その時が来れば、自分の持ち味を出したい」と15年W杯で五郎丸歩(ヤマハ発動機)が務めた本職に対するこだわりはもちながら、新天地での適応力を磨く。

他にもNO8ウォーレンボスアヤコ(宗像サニックス)がBK、FW第3列がロックでプレーするなど強化方針はぶれない。恥骨の炎症で別メニューが続くフランカーのリーチ主将(東芝)にも、ジョセフHCは「キャンプ3(7月7日集合の第3クール)から100%で復帰してくれると思う。急いでいないし、焦らせずにやっている」。初のW杯8強以上を目指し、梅雨の宮崎でじっくりと力を蓄えている。【松本航】