ラグビー・ワールドカップ(W杯)日本大会の開幕戦(20日、東京・味スタ)で世界ランキング10位の日本代表と対戦する同20位のロシア代表のFBワシリー・アルテミエフ主将(31)が16日、意外なこだわりを明かした。

公認キャンプ地のさいたま市での全体練習後、取材に応じ、立派なひげの話題になると「今、ロシアではあごひげを伸ばすのが流行っている。僕はあまりきれいじゃないから鼻下を生やしているんだ」とニッコリ。

それまでの日本戦に向けての質問では表情を変えず淡々と答えていたが、一変した。英国の伝説的ロックバンド「クイーン」のフレディ・マーキュリー似でもあり「フレディみたいに美男子に思われるのあればうれしい。僕も子供の頃からクイーンが大好き。ありがとう」と和やかな会話となった。

4日後に迫る日本戦に向けては準備万全。日本が優勝したパシフィック・ネーションズカップ(PNC)や南アフリカ戦の映像分析も終わり、選手全員が集中できているという。

W杯では、開幕戦を「大勝負」と位置づけ、日本に勝利して2試合目となる同16位のサモア戦につなげたい形だ。リン・ジョーンズ監督も「今回のチームはロシア帝国のラグビーの歴史から考えたら過去最強。この1年でやってきたことを発揮すれば面白いゲームになると思う」と話した。

ロシアは2大会ぶり2度目のW杯となる。欧州予選3位だったが、優勝したルーマニアが代表資格のない選手を出場させたとして失格となり、昨年5月に繰り上げでW杯切符を獲得した。

同8月に元ウェールズ代表のジョーンズ新体制となり、急ピッチで強化を進めてきた。同11月には日本とテストマッチを行い、前半を22-10でリードしながら5点差で逆転負けを喫した。

巨漢FWのフィジカルの強さを前面に押し出し、「ロシアンベアーズ」の愛称があるが、それに加えてスタミナ強化と規律の徹底を浸透させてきた。日本にとって格下だが、侮れない相手であることは間違いない。