5万人近くが熱狂した20日の日本代表の開幕戦から約24時間後。同じ味スタで“死の組”の戦いが幕を開けた。

序盤はFWによる激しい肉弾戦となった。アルゼンチンがフッカーのクレビらによる攻撃で突進すれば、フランスも真っ向からタックル。100キロを超える肉体が激突しのけぞる姿に、スタンドからは驚嘆の声が響いた。

前半14分にアルゼンチンがペナルティーゴール(PG)で3点を先制した。しかしそこからフランスの反撃が始まる。17分にCTBガエル・フィクーのトライで逆転すると、さらにトライ1つとPG2本などで突き放し、20-3として前半を終えた。

後半開始3分、アルゼンチンがモールでトライ。ゴール成功ですぐに7点を返した。流れはそのままアルゼンチンへ。左サイドから攻め立てた9分にふたたびモールでトライを奪うと、20分にはPGを決めて2点差に。そして28分、左からのPGをSOベンハミンマリア・ウルダピジェタが決め、ついに逆転に成功した。

暗雲が漂ったフランスを救ったのはSOカミーユ・ロペス。直後の29分に攻め込んだFW陣から後方に立ってパスを受けると、やや距離のある約25メートルからドロップゴール。難しいキックを成功させて、再度逆転した。

2点差で迎えた試合終了間際の39分には、劣勢のアルゼンチンが中央付近でPGを獲得。約50メートルのロングキックが決まれば劇的逆転だったが、これは失敗。試合は動かず、ノーサイドを迎えた。

南北半球の強豪同士が初戦から激突する好カードに、この日もスタンドはほぼ満席となった。2枠しかないベスト8の切符。C組は日本代表の前ヘッドコーチ(HC)であるジョーンズHCが率いる優勝候補イングランドのほか、ダークホースと目される米国、そして荒々しく押しまくるトンガ。激戦必至の組で、フランスが重要な初戦を制した。