ラグビー日本代表プロップ、稲垣啓太(29=パナソニック)の母校新潟工高の樋口猛監督(47)が20日、東京・味の素スタジアムで行われたロシア代表とのW杯開幕戦を観戦した。

樋口氏は家族3人と来場し、赤の稲垣応援Tシャツを着用して応援した。観衆約4万5000人の中、不動の背番号「1」を背負って、勝利のために体を張り続ける愛弟子の勇姿を見届けた。「持ってる力を出してくれた。自分でやるべきことをしっかりと理解しているし、言うことは何もない。新潟のみんなもきっと喜んでいると思う」。

隣に座っていた樋口氏の長女のまいちゃん(11)は、15年W杯で稲垣が着ていたサイン入りジャージーを着用して大声援を送った。サイズが大きすぎて丈が膝までかかっていたが「体が大きくてかっこいい」と笑みを浮かべた。

また、故郷の新潟市でもパブリックビューイングなどが実施され、“稲垣フィーバー”となった。会場には新潟工高OBや関係者ら300人超が集結。応援メッセージ付きの日の丸国旗3枚が掲げられ、「稲垣コール」の大合唱がこだました。市内には「ラグビー日本代表がんばれ! 稲垣啓太 秋葉区出身」などと書かれた多数ののぼり旗も設置され、W杯モードとなっている。

地元愛が強い稲垣は、スパイクに「NIIGATA」の文字を入れている。「日本代表であり、新潟県代表でもある」との強い信念を持ち、故郷の声援を力に変えている。「1人1人にお礼は言えないけど、新潟のみなさんには本当に感謝している。声援が大きな原動力となっているし、まずはこのW杯でしっかりと良い結果を報告したい」と、感謝の気持ちとともに8強への強い決意を示した。