ラグビーW杯日本大会の開幕戦でロシア代表に勝利した日本代表が22日午後、1次リーグ第2戦のアイルランド戦(28日、静岡・エコパスタジアム)に向け、都内から公認キャンプ地の浜松市に移動した。

世界ランキング2位との大一番へ、交通渋滞などを考慮した異例の「前線基地作戦」で臨む。

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ジョセフ・ジャパンが、一大決戦に向けて「前線基地作戦」を遂行する。都内での会見で日本協会の藤井雄一郎強化委員長(50)が、アイルランド戦当日の28日朝に浜松市の宿舎から移動して、会場近くのホテルを“拠点”とすることを明かした。キックオフは午後4時15分で、会場から車で5分ほどのホテルで数時間をアップや食事をして過ごす。まさに前線基地だ。

ジョセフ体制では初の試みで、宿舎から会場がある袋井市までの交通渋滞や悪天候などの不測の事態を想定した策となる。藤井氏は「(試合以外の)イレギュラーなことで選手には極力ストレスを与えたくない。予測できることはしっかり対応したい」と説明した。 20日のロシア戦(午後7時45分キックオフ)では、チームバスが渋滞に巻き込まれて、味の素スタジアムの到着が15分遅れた。3連休前の金曜夕方の渋滞を見越し、予定より25分早い午後5時20分に都内の宿舎を出発。しかし、首都高速の三宅坂ジャンクション付近から高井戸付近まで渋滞にはまって、予定より15分遅い同6時35分に到着した。チームは試合開始90分前から会場入りし、到着が遅れるとスケジュールにも影響が出る。一部選手から「長時間移動で体がつらい」などの声も上がった。

大会組織委員会によると、チームバスの輸送について、警備目的で警察車両が先導するが、五輪の時のような「優先レーン」はないため一般車両と同じ扱いになるという。ただ、今回は「前線基地作戦」を遂行するため渋滞の心配はない。万全の準備を整えて5日後の大勝負に挑む。【峯岸佑樹】