世界ランキング9位の日本代表が大金星を挙げた。優勝候補の同2位アイルランドを19-12で破った。

SO田村優(30=キヤノン)のPGで食い下がり、後半18分にWTB福岡堅樹(27=パナソニック)が逆転トライ。過去9戦全敗の相手から歴史的勝利を挙げ、1次リーグA組首位に浮上した。

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「我々の方がおじけづいた」。世界ランク1位で開幕を迎えたアイルランドを率いるシュミット監督の感想が、試合の内実を物語っていた。後半は日本の粘り強い守備を崩せずに無得点に終わった。重圧を受け続け、初戦のスコットランド戦でみせた安定感抜群のセットプレーにほころびが出た。前戦でラインアウト12回中12回、スクラムは10回中10回と100%の成功率を誇った屋台骨が、この日は11回中9回、7回中6回とともにミスが出た。しかも、流れを持っていきたいところでの失敗。ベスト主将は「日本のチームが優秀だった」と認めた。

昨年の世界最優秀選手のSOセクストンをベンチから外した決断にシュミット監督は「(初戦からの)継続性で選手を変えたくなかったが、振り返ると難しい」と顔をしかめた。ラストプレーの合図のホーンが鳴った後には、自陣インゴールからタッチに蹴り出して試合終了。7点差以内のボーナスポイント1点を確保するための割り切った選択について「上位2位にまで入るため」とした。