全国高校ラグビー県大会が20日に開幕する。昨年優勝の静岡聖光学院は、少ない時間をムダなく集中して練習に取り組み、全国大会レベルで戦い合うイメージでチーム力を上げてきた。1回戦は静岡高対焼津水産の勝者とぶつかり合う。

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2年連続6度目の全国出場がかかる強豪校。チームを引っ張る、フォワード(FW)の大西馨汰(けいた)主将(3年)は「花園に出て、シード校を撃破する」と高いチーム目標を語った。

取り組んできた課題は主に4つ。攻守切り替えの素早さ、ゲインラインを突破されたときに前へ出る守り、ラインアウトでのセットプレーの安定化、インパクトがあるタックルだ。3番目以外は「どれもできている」とし、第1シードとして迎える初戦の来月4日までに、3番目も仕上げるつもりだ。

実は主将は、今夏の合宿中に激しいアタックで脳振とうに見舞われた。影響はもうないが、大事をとって1カ月ほど練習から遠ざかった。練習に参加できなかった3つ目の課題は、「残された時間でクリアする」。

チームの2~10月の練習は週3回。1回は90分。残り時間はあるようで、あまりない。だが「短時間に集中することで、充実してできている」と心配はしていない。自身は昨年の花園に出場。全国レベルでの選手の強さを実感した。チーム全体で1年かけ高めた技と体力で、再び全国の舞台を勝ち取りにいく。【倉橋徹也】