キーワードは「腸内フローラ」。 野菜、きのこ、納豆、キムチ

【健康連載】私たちはコロナとどう付き合っていけばいいのか。食べ物は大事です。

特集記事

鎌田實


 テレビ、ラジオでもおなじみの医師で作家の鎌田實氏が、長引く新型コロナウイルスの感染症との付き合いで、私たちにできること、いかに困難と向き合っていくかをお伝えしていきます。

★金や顔より「腸」で勝負★

 脳と腸はつながっている。幸せホルモンのセロトニンの多くは腸で作られ、このセロトニンが脳で幸せを感じさせてくれる。これは、腸が脳に影響を与えていることを示しています。

★脳腸相関★

 ストレスがあると、女の人は便秘になりやすく、男の人は下痢になりやすいと言われています。これは脳が腸に自律神経を介して刺激を与えていると考えられます。脳と腸は密接に関係しています。これを脳腸相関といいます。

 腸内細菌のバランスが悪くなると、いろいろな病気を引き起こします。

 ある研究では、健康な人の大便を、大腸に便移植をする治療が、うつ病やアトピーなどに効果があると言われています。

 糖尿病や花粉症なども、腸内フローラという腸内細菌を、健常な良い状態にしてあげることで、改善すると言われています。

 他人の便を移植するなんてやりたくない治療ですが、腸内フローラを良くするためには、普段から善玉菌を増やすように心がけることが大事です。そのためには、食物繊維と発酵食品を食べることです。

 コロナとの闘いが長期化して、気持ちが鬱々(うつうつ)としている人が増えています。腸内フローラが改善されると、コロナ鬱なども未然に防ぐことができます。繊維の多い、キノコや野菜、発酵した納豆、キムチなどを多く食べるように心がけましょう。もちろんこれらの食べ物は自然免疫力も高めてくれるので、とても重要です。

★頭の切れを良くする★

 昼食に、牛丼の大盛りを食べた。あるいは、ラーメンを食べた。午後になると、眠気が襲ってくる。仕事をしていても、なかなかいい考えがひらめいてこない。頭の回転が鈍くなってしまう。

 これはなぜでしょう。白米や麺で、血糖値が急上昇し、インスリンが分泌されて、血糖値を下げようとするためです。急激に上がったものが下がっていくときに、頭の回転が悪くなるのです。

 眠気を防ごうと缶コーヒーを飲む。砂糖入りだと、ここで急激にまた血糖値が上がります。一瞬、気合が入ったような感じになりますが、上がった血糖値を下げようとする働きが再び働き、パフォーマンスが悪くなる。

腸内フローラが改善には発酵した納豆が有効。ねばねばーギブアップ!

腸内フローラが改善には発酵した納豆が有効。ねばねばーギブアップ!

★血糖値を急激に上げるな★

 血糖値は、急激に下がることがいけないのですが、急激に上がった結果として下がるのです。急激に上がる高血糖が、動脈を傷つけ、動脈硬化がおきます。急激に上げないことで、むしろ午後の頭のキレを良くすることができます。

 そのためには、お昼ご飯のときに、まず野菜を食べること。その後、肉を食べ、後半に白米を食べるようにする。

 定食など、ご飯を選べる時は、白米ではなく玄米を選ぶ。玄米の方が、血糖値の上昇を防いでくれます。納豆や長芋など、ぬるぬるしたものは、血糖値の上昇を防いでくれます。

 午後の仕事の効率を上げるためには、お昼ご飯の食べ方を、少し工夫してみることが大事です。(2021年夏に日刊スポーツ紙上で連載)

★鎌田實(かまた・みのる)1948年(昭和23)6月28日、東京生まれ。東京医科歯科大卒業後、諏訪中央病院で地域医療に携わり、88年、院長。長野県を健康寿命日本一に導く。05年、名誉院長。ベストセラーになった「がんばらない」など著書多数。最新刊に「認知症にならない29の習慣」。文化放送「鎌田實×村上信夫 日曜はがんばらない」パーソナリティー。日本チェルノブイリ連帯基金(JCF)理事長、日本・イラク・メディカルネット(JIM―NET)代表としてチェルノブイリ、イラクへの医療支援を続ける。