将棋の“段”はネット対戦ゲームでも取れるんです。アマ初段記者が諸々紹介(体験談込み)

【将棋コラム・ 観る将のつぶやき】将棋の〝段〟はどうやれば取れる? アマ初段の免状を持つベテラン競馬記者の思い入れコラム、今回はちょっぴり自慢しつつです。

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岡山俊明

★じゃーん!「渡辺竜王・羽生名人・米長会長」免状に豪華自筆署名★

先日、将棋の渡辺明名人に、日本棋院から囲碁アマチュア三段の免状が贈呈されました。

新聞紙上の記念対局で、プロ入り最年少記録(10歳0カ月)を持つ中学生棋士の仲邑菫(なかむら・すみれ)二段にハンディをもらって対戦。勝利した内容が高く評価されたとのことで、にこにこ顔で免状を手にする渡辺名人は本当にうれしそうでした。

人生で賞状や免状をいただく機会は、そうあることではありません。最も身近なのは学校の卒業証書ですが、歴史や権威のある団体が発行する段位認定の免状は、普遍的な価値があるだけに格別です。

ところで将棋の初段って、皆さんどう思いますか? 自分の場合、将棋を知らない人ほど「すごいね~」「相当お強いんですね」などと言ってもらえます。ふふふ。正確にはアマチュア初段。大会に出るような四段、五段の強豪からすればペーペーで棋力に全く自信はないのですが、今のところ上を目指す気もなく満足してしまっています。

初段を目指した動機は、ズバリ免状が欲しかったから。免状には時の竜王、名人と、日本将棋連盟会長が自筆で署名します。取得した当時は渡辺明竜王、羽生善治名人、そして米長邦雄会長で、全員がひいきの棋士でした。この3人がそろった機会を逃してなるものかと、必死でした。免状の日付は2010年(平22)6月1日で、渡辺竜王が6連覇中、羽生名人が3連覇した直後。もしも羽生名人が失冠したら、狙いが外れていたところでした。

免状が収められた桐箱。金文字がまぶしい

免状が収められた桐箱。金文字がまぶしい

★今なら!「藤井竜王・渡辺名人・佐藤会長」免状に魅惑の自筆署名★

桐箱で届いた免状には感激しましたね~。大高檀紙(おおたかだんし)という高級手すき和紙で、ごわごわと厚手で白いしわが特徴。ずっしりと重みを感じるのは、物理的な重量だけではないでしょう。文面は作家で俳人の故滝井孝作の撰で、初段から八段までそれぞれ異なります。しかも免状取得者は日本将棋連盟台帳に記載されるのです。

段位の取得方法はさまざま。タレントのつるの剛士さんは戸部誠七段に三段を推挙され、元乃木坂46の伊藤かりんさんは森内俊之九段と指して初段に認定されました。2人とも将棋の普及に一役買った面も考慮されたと思います。でも一般の人に棋士の推薦はなかなか縁がない。自分は週刊将棋の「次の一手」問題に、確か12週連続で投稿して、規定の点数に達して認定されました。問題は3択なのですが、この時ばかりは読みに読んで、見落としがないか何度も確認しましたね。正解発表が待ち遠しかったものです。

2010年にいただいた初段免状。読み方は「つとにしょうぎに たんねんにして けんさんおこたらず しんぽけんちょなるをみとめ ここにしょだんを いんきょす」。意味は「日頃から将棋に真心をこめているうえに、研究を怠らないで進歩が著しいことを認め、ここに初段を許可する」

2010年にいただいた初段免状。読み方は「つとにしょうぎに たんねんにして けんさんおこたらず しんぽけんちょなるをみとめ ここにしょだんを いんきょす」。意味は「日頃から将棋に真心をこめているうえに、研究を怠らないで進歩が著しいことを認め、ここに初段を許可する」

週刊将棋は休刊になってしまいましたが、月刊将棋世界の昇段コース(初段~六段)や、NHK将棋講座テキストの認定問題(三段まで)でも可能です。

また東京・大阪の将棋会館道場でも取れます。私も道場では1級で指していたのですが、なかなか昇段条件を満たせなかった…。「8連勝」または「13勝2敗」って、なかなかハードルが高いです…。

なんとネット対戦ゲームでもOK。将棋俱楽部24や将棋ウォーズ、81Dojoでは、そこでの段級位で取得できます。将棋俱楽部24は異常に参加者のレベルが高くて、自分はせいぜい7級でした(将棋会館道場では1級なのに!)。ここで初段なら、実質は高段だと思います。他にもいろいろあるので、興味のある方は連盟ホームページで確認してみてください。

竜王と名人のタイトル保持者は、東京・千駄ケ谷の日本将棋連盟に足を運び、署名を書きだめするそうです。免状は連盟の貴重な収入源。竜王、名人の重要な仕事のひとつなのです。

渡辺明名人(左)と藤井聡太竜王は、免状署名も仕事の1つ

渡辺明名人(左)と藤井聡太竜王は、免状署名も仕事の1つ

ちなみに初段免状の料金は3万3000円。二段4万4000円、三段5万5000円と上がっていき、六段は27万5000円! これを高いとみるか、安いとみるか。家宝とするなら決して高くはない気がします。

連盟広報課によると、棋士養成機関である奨励会では、昇級昇段しても免状は出ないそうです。奨励会三段リーグを突破して、晴れて四段で棋士になった時に発行されるとのこと。もちろん文面はアマチュアとは異なります。また五段以上の昇段時は免状はありません。

2022年4月11日現在の署名者は以下の通り。

会長 佐藤康光

名人 渡辺明

竜王 藤井聡太

この連名にもそそられますね。今を時めく藤井聡太竜王の署名目当てに、免状取得を目指してみるのもいいかもしれませんよ。

免状には佐藤康光会長の署名も入ります

免状には佐藤康光会長の署名も入ります

◆岡山俊明(おかやま・としあき) 1965年、東京都生まれ。89年入社。ただのライトな将棋ファンで、観る将としてもまだまだ級位者。競馬記者歴25年以上。競馬デスク時代に何度か棋士の方々に紙面で予想をお願いした。日本将棋連盟アマ初段の免状はあるが、指す将としては実戦不足が甚だしく弱い。