なかやまきんに君 ティーンが選ぶトレンドランク入り 貫く芸風「It's My Life」

【番記者裏話】スクープや芸能界の最新情報を求めて現場を駆け回る芸能記者が、取材を通じて感じた思いをつづります。

番記者裏話

松尾幸之介

なぜか見てしまう、そしてクスッとしてしまう。不思議な魅力があると思っている。なかやまきんに君(43)のことだ。00年に吉本お笑い養成所(NSC)22期生としてデビューし、抜群の運動神経と他を圧倒する筋肉芸でバラエティーやスポーツ番組で活躍。見た目や芸風など、やっていることは昔とあまり変わっていないが、当時の姿を知らない今の若者たちの間でもその面白さは話題となっており、じわじわと人気が高まってきているようだ。

6月にマイナビが発表したティーンが選ぶ2022年の上半期トレンドランキングのヒト部門では、なにわ男子やSixTONES、ジャにのちゃんねるなど、ジャニーズ事務所のアイドルやYouTuberが上位に名を連ねる中、きんに君が堂々の5位にランクイン。コトバ部門でも決めせりふである「ヤー!」「パワー!」が5位にランクインしており、高い人気が感じられる。

SNSを見ていると、きんに君の「パワー!」の音声を動物など全く関係ないものの動画に合わせる遊び投稿も見られる。きんに君が筋トレ法や自身の活動を紹介しているYouTubeチャンネル「ザ・きんにくTV【The Muscle TV】」も登録者数182万人。その存在は今の若者たちに確実に認知されていると言っていいだろう。

約20年前。20代の頃のきんに君はR-1ぐらんぷりで決勝進出を果たすなど芸人として活躍する傍ら、TBS系「最強の男は誰だ!壮絶筋肉バトル!!スポーツマンNO・1決定戦」ではパワー、スピード、持久力ともに高いレベルのパフォーマンスをみせ、03年の芸能人大会優勝を最初に、05年から06年にかけては4連覇も達成。しばらく経った12年には同じくTBS系「オールスター感謝祭」の赤坂5丁目ミニマラソンで優勝するなど、アスリートとしての才能も存分に発揮し、お茶の間を楽しませていた。

一方で、06年からは米ロサンゼルスへ筋肉留学へと向かい、現地で単独公演や監督、脚本、主演を務めた映画「Captain Hero」を製作。ボディビルダーとしても長く活動し、今年5月に米国で行われた「マッスルビーチインターナショナルクラシック」のマスターズクラス40歳以上の部で見事に優勝。おなじみの登場曲となっているBon Joviの「It's My Life」のサビでポーズを決めると、現地の観客からも大歓声を浴びた。

何度も言うが、きんに君は昔から全く見た目も変わらず、活動の軸もブレていない。筋肉留学で表舞台からやや遠ざかった時期があったにもかかわらず、自身の肉体のみを使ったシンプルな芸風でここまでさまざまな世代に愛され、現在でも活躍していることは称賛に値するのではないかと感じている。

昨年12月7日に福岡市東警察署で一日警察署長を務めた際は、おなじみの右腕の力こぶに語りかけ「パワー!」と叫び締めるギャグを披露。その模様がNHK福岡放送局制作のローカルニュース番組「ロクいち!福岡」で放送され、直後、カメラがスタジオに切り替わって次のニュースに移るタイミングとなったが、ニュースを読む一橋忠之アナウンサーが笑いをこらえきれず、3度も噴き出してしまうハプニングが発生。その様子はネット上でも話題となった。

イベントに出席した左から、なかやまきんに君、三宅健太、沢城みゆき

イベントに出席した左から、なかやまきんに君、三宅健太、沢城みゆき

今年7月4日に都内で行われた映画「ソー:ラブ&サンダー」の公開直前七夕イベントに出席した際も、登場すると観客から大きな拍手で迎えられ、ポーズやネタを披露すれば大きな笑いが起こる。共に登壇した声優の三宅健太(44)からは「何でだろう。涙が出てきちゃった。美しい体」と感動の声をかけられていた。

まさに「It's My Life」。きんに君は昨年末には長く所属した吉本興業とのマネジメント契約を終了。海外での活動など、自らが確立した方針での活動を希望しての再スタートを切った。自身のYouTubeチャンネルでは今後もボディビル大会へ出場していくことに意欲をみせ、夢に「日本代表として世界大会に出ること」を掲げている。40歳を過ぎてもなお尽きない向上心。なかやまきんに君はどこの境地にまで達していくのか。今後も本当に目が離せない。