【復刻世界フィギュア】鍵山優真「ビックリ、言葉が…」銀メダル 五輪主役に名乗り出た瞬間

北京オリンピック(五輪)で銀メダルに輝いた鍵山優真が3月23日から始まる世界選手権(フランス・モンペリエ)に出場する。昨年の世界選手権では初出場で銀メダルの衝撃デビューを果たし、五輪の表彰台につなげた。

1年前のストックホルムで「何も言葉が見つからない」と喜びを表現した鍵山の快挙を振り返る。(21年3月27日掲載 年齢、所属など当時)

フィギュア

松本航

<21年フィギュアスケート世界選手権ストックホルム大会>


ショートプログラム(SP)2位の鍵山優真(17=星槎国際高横浜)が、世界選手権初出場で銀メダルの快挙を達成した。フリー2位の190・81点を記録し、合計291・77点。2年前の世界選手権で熱視線を送った3位の羽生結弦(ANA)を上回り、表彰台に立った。92年アルベールビル、94年リレハンメル五輪代表の父正和コーチ(49)が、国際試合に今回初めて同行。親子二人三脚で歩むシニア1年目の有望株が、22年北京五輪でのメダル候補に急浮上した。

男子フリーで演技する鍵山(撮影・PNP)

男子フリーで演技する鍵山(撮影・PNP)

男子総合上位成績(SP、フリー) 

❶チェン 320.88( 98.85❸222.03❶)

❷鍵山優真 291.77(100.96❷190.81❷)

❸羽生結弦 289.18(106.98❶182.20❹)

❹宇野昌磨 277.44( 92.62❻184.82❸)

男子フリーの得点に喜ぶ鍵山(撮影・PNP)

男子フリーの得点に喜ぶ鍵山(撮影・PNP)

信じられない光景が広がっていた。最終滑走の羽生だけを残した演技。王者チェンに次ぐ2位で表彰台が確定し、両手を挙げて跳びはねた。「ビックリしすぎて、何も言葉が見つからない。後悔しない演技をすることができた」。冒頭の4回転サルコーで流れに乗り、4回転-3回転の連続トーループは3・26点の加点を得た。スピン、ステップは最高のレベル4をそろえ、今の力を出し尽くした。

フィギュアスケート世界選手権 表彰式に臨む羽生結弦(後方)。手前は鍵山優真(撮影・PNP)=2021年3月27日

フィギュアスケート世界選手権 表彰式に臨む羽生結弦(後方)。手前は鍵山優真(撮影・PNP)=2021年3月27日

 隣には父がいた。選手として五輪に2度出場し「練習では日本人で初めて」4回転ジャンプを跳んだとされる名手だ。その父から無理に4回転を跳ばない指導を受け、わずか3年前の18年5月、中学3年で初めて日本代表へ選出された。

 歓喜の翌月、父が脳出血で倒れた。3カ月後にカナダで行われたジュニアグランプリシリーズへ同行はかなわなかった。今大会で念願が実現し、鍵山は「ずっと(父と)一緒に行きたかったので、すごく良かった」とほほえんだ。

表彰式に臨む、左から鍵山、ネーサン・チェン、羽生(撮影・PNP)

表彰式に臨む、左から鍵山、ネーサン・チェン、羽生(撮影・PNP)

 2年前、埼玉で行われた世界選手権を客席で観戦した。チェンと羽生による世界最高峰の戦いを見て、目を輝かせた。「『自分がここにいていいのか』と最初は思った」。2日間の演技を終え、初々しかった17歳の目が北京五輪を捉えた。

 「負けないように練習して、成長して、五輪に出場することが大事。その上で五輪に出て、上位を狙っていきたいと思っています」

表彰式でメダルを掲げる鍵山(撮影・PNP)

表彰式でメダルを掲げる鍵山(撮影・PNP)

 来季に向けて現在練習中のループなど、4回転を1~2種類増やす意向を持つ。この興奮は、夢舞台への第1歩となる。