新日本プロレス
New Japan Pro-Wrestling
   Ultimate Crush   
◇東京ドーム◇2003年10月13日(月)◇15:00 ◇観衆 4万7000人

真猪木軍完勝! ホーガンは蝶野を斧爆弾葬!

 新日本軍がまたも高山善広(37=フリー)に苦汁をなめさせられた。メーンで10人タッグイリミネーションで対戦、ボブ・サップ(29=米国)の大暴れで高山自身は途中退場となったが、最後は鈴木みのる(35=パンクラスMISSION)が永田裕志(35)からアントニオ猪木の代名詞卍固めで勝利を奪い、2人残った真猪木軍が完勝した。約10年ぶりの参戦となったハルク・ホーガン(50=米国)は、予告通り斧爆弾で蝶野正洋(40)を下し、ハルカマニアを熱狂させた。

写真=蝶野(右)を仕留めたホーガンのアックスボンバー

▽第10試合 アルティメット・プロレスリング 10人タッグイリミネーション(時間無制限勝負)
×=天山広吉
永田裕志
中西 学
棚橋弘至
坂口征二

※応援団長=坂口憲二
セコンド=エンセン井上
(新日本軍)
39分54秒 
2人残し
○=高山善広
藤田和之
鈴木みのる
中邑真輔
ボブ・サップ

 
 
(真猪木軍)
 ゴング前、坂口憲二がサップに柔道着を渡す。サップが迷わず袖を通すと坂口vsサップで試合開始。坂口は突進してくるサップに払い腰2連発。しかしサップのボディアタックを浴びると、高山には柔道着を脱がされ、キックの連発を受けた。中邑にボディスラム、アトミックドロップを決め奮闘したが、その中邑に場外に落とされ最初の失格となってしまった。先制を許した新日本軍は裏切り者の中邑へ厳しい制裁。永田のリストクラッチ式エクスプロイダーから中西がラリアット、ジャーマンで下し、1対1。次の退場者は藤田。永田にフランケンシュタイナー、棚橋にグラウンドでのヒザ蹴りなど新日本軍を圧倒していたが、棚橋に藤波直伝の首固めで丸め込まれ、大金星を献上してしまった。この後、11月3日の横浜アリーナでIWGP戦が決まっている高山と天山が激しい戦い。天山が高山を場外に落とそうとエプロンでもみあっていると、なんとサップが突進。味方の高山もろとも場外に落としてしまった。すぐに中西が入ってきて1年前のリベンジを狙い、サップをアルゼンチン式背骨折りで担ぎ上げた。しかし、直後にサップがタックルを浴びせ、中西はトップロープ越しに場外へ吹っ飛ばされ失格。7人目の退場は棚橋。鈴木を足折り式エビ固めでまたも金星かという健闘を見せたが、サップが高々と持ち上げてからのパワーボムで3カウントを奪った。これで永田vsサップ、鈴木と新日本軍は大ピンチ。残った永田はサップのパワーボムを浴び虫の息。鈴木にスリーパーで長時間絞められた後、卍固めを決められレフェリーストップ負け。真猪木軍が完勝した。試合後、鈴木が「おい、新日本! これがお前らのプロレスか。いつでもやってやるぞ」と挑発すると、天山が「これで終わりじゃないぞ。今やってやる」と鈴木に襲いかかったが返り討ちにあってしまった。

 ◆高山「真猪木軍の完全勝利で終わりました。猪木さんが来ていないのは、ジジイ(坂口)が入っているようなチームを見にわざわざくることはない。すべて任せたといわれたから。オレたちがやっていることがストロングスタイル」
 ◆鈴木「あれが結果。お客さんは自分の感性で試合を見てるが、最後シーンとなったときはざまあみろと思った。強いやつが勝つ。それ以外ない。それがストロングスタイル」
 ◆藤田「(棚橋に1本とられたが)チームが勝ったからいい」
 ◆中邑「坂口会長が本当に新日本のことを思うなら、自分に1本とられて良かった。会長には2度とリングに上がってほしくない。(今後は)自分のスタンスで、自分のチョイスで決める」
 ◆サップ「リングに立てて光栄。コンディションに不安があったが、猪木軍に入れてよかった。(坂口憲二は)女性に人気があるが、セクシーさでは負けない」
 ◆坂口征二「残念ながら一番にやられた。力になれずみんなに申し訳ない。サップを投げたことが一番の収穫」
 ◆天山「最後は見ての通り。これが終わりじゃない。高山しか眼中にない。高山に負けたことが悔しい。絶対に高山を倒してベルトをとる」
 ◆中西「(高山に)チャンピオンならどっしり構えろ。サップはもう1度やらないと気が済まない。向こうにいた5人を1人ずつ倒す」
 ◆棚橋「オレの出世試合にするつもりだった。次は期待してください。次こそ大きくなります」
 ◆坂口憲二「負けてしまったが、ストロングスタイルでは負けていない。熱いものが伝わってきた。これからも新日本を応援する。(セコンドは)今回限り。親父も今回で終わりにしてほしい」

上写真=坂口(右)に柔道着を来て襲い掛かるサップ
下写真=サップ(左)と高山(右)は強烈なダブルタックルで天山をふっ飛ばす


▽第9試合 スーパードリームマッチ(60分1本勝負)
×蝶野正洋19分46秒 
片エビ固め
ハルク・ホーガン○
 先に入場したのは蝶野。テーマ曲クラッシュの前奏に君が代を加え、日本代表としてリングに上がった。対するホーガンは黄色と赤に統一されたハルカマニアックス・スタイル、ジミー・ハートを従えて入場した。約10年振りに新日本マットに上がると「一番」の文字が入ったTシャツ破るお馴染みのパフォーマンスを見せた。蝶野に先制を許したが、すぐに串刺しアックスボンバーで逆転。イス、ベルト、鉄柱、鉄柵、急所攻撃などラフファイトも見せたが、アックスボンバーを連発するなど大暴れ。場外でブレーンバスターを放った後、エプロンに上がってきた蝶野をアックスボンバーで場外に落とすなど、猪木舌出し失神を思い出させるシーンも。蝶野のナックルパンチの連発にはハルクアップ、蝶野を指差すとドームの客席からは「ユー!」の大合唱。その後、ビッグブーツからレッグドロップと必殺フルコースを見せたが、蝶野はカウント2で返した。信じられないという表情のホーガンは予告つきのアックスボンバーを狙ったが、逆にケンカキックを3連発浴びてしまう。リング中央でSTFを長い間決められると動かなくなってしまった。落ちたと勘違いした蝶野は勝利を確信したパフォーマンス。しかしホーガンはすぐに立ち上がり、蝶野をロープに振ってのアックスボンバーで完璧な3カウントを奪った。上機嫌のホーガンはお馴染みのパフォーマンスと「イチバ〜ン」を連発しながらリングを後にした。しかし、試合後のインタビューではジェフ・ジャレットの急襲を受け大流血にされる場面も。

 ◆ホーガンのコメント「まず、新日本プロレスと蝶野選手にお礼を言いたい。コンディションは自分の方が良いと思っていたが、蝶野の方が良かった。私の最終目標はIWGP。IWGP王者になることがゴール。WWF、WCW、WWEとタイトルを獲ってきたが、新日本が一番だと思ったから、日本で戦う。日本でタイトルをとれればいい」

写真=蝶野(右)にコブラツイストを決めるホーガン

▽第8試合 200万円賞金マッチ(30分1本勝負)
○村上和成4分58秒 
レフェリーストップ
柴田勝頼×
 村上が魔界倶楽部を脱退した柴田の制裁に成功した。リングインと同時に襲われた村上だったが、すぐに場外に落とし魔界倶楽部メンバーにリンチさせた。その後も大流血した柴田に容赦なくキック、パンチを浴びせていった。フラフラになりながらも向かってくる柴田に攻撃の手を休めないため、見かねたレフェリーが試合を止めた。試合後、村上が泣きながら柴田を抱きしめると魔界倶楽部メンバーも柴田を介抱、肩を貸して退場した。
▽第7試合 キング・オブ・パンクラス無差別級選手権試合(5分3回)
○ジョシュ・バーネット
(王者)
2回2分52秒 
三角絞め
高橋義生×
(挑戦者=パンクラスism)
 開始直後から高橋が打撃戦を仕掛け、パンチで攻め込んで行く。バーネットは、パンチをかいくぐってコーナーに詰めると首相撲でヒザ蹴りを連発するが、急所に入ってしまう。両者が握手をして試合再開したが一進一退のまま1R終了。2Rに入っても高橋はスタンディングでの打撃戦を狙うがバーネットがグラウンドに誘い込む。バーネットが上から強烈なパンチを打ち込んでいくが、スキをついて高橋が初めてグラウンドで優位な体勢に。一気にパンチを連打する高橋だったが、腕を取られ三角絞めを決められしまう。そのまま抜け出せずに無念のタップ、至宝奪回に失敗した。

 ◆バーネットのコメント「いい試合だった。高橋は敵としてふさわしい相手だった。ベルトを守ることが使命だったのでうれしい。私がプロレスを去るか、パンクラスがもういいというまで守り続けたい。今後、一人一人倒し、相手選手の魂をベルトに込める。そしてベルトも自分も強くなる」

 ◆高橋のコメント「流れの中ですんなり決められた。パンチでイニシアチブを握っていたので、グラウンドをしのげば勝負できると思った。かけられた瞬間は『しまった』と思った」
▽第6試合 アルティメット・クラッシュ2(5分3回)
○高阪 剛
(チーム アライアンス)
判定
3−0
ヒカルドン×
 
 セコンドに吉田秀彦がついた高阪は、ヒカルドンの身長205センチ、体重124キロの巨体を嫌い、終始グラウンド戦に引きずり込む。グラウンドで優勢にポジションを奪い、耳へパンチの連打などで積極的に攻めたが、ヒカルドンのパワーの前に勝負を決めることができない。ヒカルドンは前蹴りが高阪の急所に入ってしまい、さらにグラウンドの攻防でアゴが高阪の目を突いてしまったため2枚目のイエローカードを受けてしまった。試合終了間際も高阪は鋭いタックルでヒカルドンを翻弄したが、時間切れとなり判定決着となった。

 ◆高阪のコメント「気持ちが折れなかったから、最後まで自分の試合ができた。(金的攻撃を受けたが)やられたらやりかえそうという気持ち。気持ちだけは負けないように…。こんなので終わってたまるかと思った。総合のヘビー級は外国人がほとんどだが、日本人のヘビー級がいることを示すためにも負けられなかった」
▽第5試合 アルティメット・クラッシュ1(5分3回)
×ハウリン・ボウルドバートル
(モンゴルプロレス協会)
2回4分46秒 
裸絞め
渋谷修身○
(パンクラスism)
 渋谷がモンゴルからの刺客を返り討ちにした。試合開始直後からグラウンドに持ち込まれガードポジションから何発もパンチを浴びせられた。パンチを放った腕を狙い、下からの三角絞めを狙ったが決められない。ボウルドバートルがガードポジションからパンチ、その腕を渋谷が狙うという展開のまま1Rは終了。2Rに入ると渋谷は作戦を変え、グラウンドを嫌いスタンディングの攻防、倒されても腕ではなく足を狙った。2R中盤、スタミナが切れてきた相手に打撃戦で優勢に立ち、グラウンドで初めて上のポジションを奪った。最後はうつ伏せのボウルドバートルにパンチを振り下ろし、スリーパーで絡みついて勝利を得た。

 ◆渋谷のコメント「相手が思ったより強く、こっちも力を使った。もうちょっとお客さんを沸かせたかった。(相手について)資料がなくて何をしてくるか分からなかった。思ったよりもいろいろな技を知っていた。最後は残り30秒と聞こえて強引に行った。(新日本には)いつでもあがりたい。やりたい相手は具体的にはいない。誰でもいい」」
▽第4試合 魂浄化最終章(30分1本勝負)
×西村 修
※セコンド=山本小鉄
4分45秒 
体固め
安田忠夫○
※セコンド=星野総裁
 西村の安田更生は失敗に終わった。リングに上がるといつも通り安田に説法を始めた。「幸せボケしたこの世の中に必要なのは正義であります。安田! 日本のため、地球のため、宇宙のために無我に入って人間をやり直しなさい。(ここで安田がリング下へ)人間やめますか? それともギャンブルやめますか?」。安田がリングに上がらないため、両者リングにそろわない状態で試合開始のゴングが鳴らされた。それでもリングに上がらないため、山本小鉄が怒鳴りつけると安田はやっとリング上へ。しかしすぐに西村を場外に落とし魔界倶楽部メンバーで袋だたきにした。西村が4の字固めを決めると、安田のセコンド筑前がトップロープからボディプレス。山本がレフェリーに抗議をすると魔界倶楽部は場外で山本を袋だたきにした。西村も星野総裁にコブラツイストを決めたが、1号と筑前の2人がかりのパイルドライバーを食らい、何もしていない安田の踏みつけ式体固めで3カウントを奪われた。試合後は魔界マスクを被せられる屈辱を味わったが、山本が竹刀で魔界倶楽部を蹴散らし救出された。

 ◆安田のコメント「何が浄化だ。てめーこそ天国に送るぞ。魔界をなめるなよ。」

 ◆星野総裁のコメント「山本なんか眼中にない。レベルが違う。魔界には通用しない。これからもビッシビシ行く」
▽第3試合 野武士VS野獣(30分1本勝負)
×真壁伸也
 
5分40秒 
片エビ固め
TOA○
(K−1)
 新日本初参戦のK−1戦士TOAがアビディ、ボンヤスキーらが見守る前で真壁を下した。オープンフィンガーグローブをつけたTOAはゴング直後からパンチを乱れ打ち。プロレスルールでは反則となるパンチを容赦なく真壁に浴びせた。真壁のスピア、ブレーンバスター、ラリアット、バックドロップとプロレス技を受けても効かない。逆片エビ固めで捕まった時だけは劣勢になったが、後は真壁を圧倒。カウンターで右フックを浴びせると胴絞め落としで倒し、馬乗りパンチで真壁をグロッギーにした。最後は高々と持ち上げデッドリードライブの形で落とすTOAスラムで3カウントを奪った。試合後、TOAはマイクで新日本勢を挑発、すぐにエンセンがリングに上がり乱闘となった。11月3日横浜アリーナ大会に多数のK−1戦士が参戦。一気に新日本vsK−1が激しくなってきた。

 ◆TOAのコメント「非常にいい試合だった。真壁はアグレッシブでいい相手だった。ただ、運として今日は私に運があった。私は誰の挑戦でも受ける。(次期シリーズは)基本的には変わらないが、パンチ、キック、スラムなどで攻める。(中西について)まったく問題ない。K−1でも勝ったし、新日本でも勝つ」
▽第2試合 U−30無差別級王座次期挑戦者決定戦(30分1本勝負)
×吉江 豊10分1秒 
体固め
ブルー・ウルフ○
 ウルフがIWGPタッグ王者吉江を下し、棚橋への挑戦権を獲得した。吉江の体重を生かした攻撃で苦しめられたが、吉江がトップロープに上がったところを雪崩式ブレーンバスターで投げ、立て続けに後ろと前からラリアットで追いつめた。最後は重い吉江をジャックハマーで見事に投げきり、3カウントを奪った。

 ◆ブルー・ウルフのコメント「本当にうれしいです。僕はどんなことがあっても勝つという気持ちだった。大きな大会で勝ててうれしい。(次戦の対戦相手・棚橋について)年も同じだし、一番のライバル」
▽第1試合 スーパージュニア・ニュージャパンランボー2分時間差入場バトルロイヤル IWGPジュニアヘビー級新王者決定戦(60分勝負)
○邪道22分47秒 
邪道式顔面絞め
金本浩二×
 邪道がIWGP史上初となるバトルロイヤルを制し第45代IWGPジュニアヘビー級王者となった。垣原vs成瀬で始まった試合だが、3人目のサムライが入場すると軍団抗争の背景から2対1となる。ライガーが入場し2対2となったが、5人目の入場時にはルール無用で邪道、外道と黒覆面のXが3人一緒に入場、3軍が入り乱れた。Xはダイビングセントーンで成瀬を下すと自らマスクを脱ぎ、ディック東郷であることを明かした。大混乱の中、垣原がサムライに敗れ、ヒートはサムライをミノルスペシャルで下した直後に2人がかりでフォールを奪われ退場となる。タイガーマスクの入場時には2分後に入場するはずの竹村が後ろから急襲。邪道・外道軍がルール無用のラフファイトでリング上を混乱させた。ライガーが奮闘し、外道を掌底で場外に落としたが、すぐに外道が場外から手を出し、ライガーも場外に落ちて失格となってしまった。ここで邪道、竹村、東郷に対抗するため金本とタイガーマスクが手を組んだ。タイガーマスクが金本のフォローを受け、側頭部へのキックで竹村からフォールを奪い、東郷をハイキックで場外に落としたが、失格した竹村に場外に引きずり落とされ失格となってしまった。これでリング上は金本vs邪道。金本は再三乱入する外道らを蹴散らしながらヒールホールドで邪道を苦しめたが、邪道式顔面絞めで返され無念のタップ。邪道に至宝を奪われてしまった。試合後は邪道らがまたもライガーのマスクを脱がす暴挙。ライガーのマスクを口にくわえて勝ち名乗りを受けた。

<入場順>垣原賢人、成瀬昌由、エル・サムライ、獣神サンダー・ライガー、邪道&外道&ディック東郷、ヒート、金本浩二、タイガーマスク、竹村豪氏

 ◆邪道のコメント「シングルのベルトとったぞ。いま、新日本の王者はオレだ。福岡(IWGPジュニアタッグ戦)には竹村と外道が行く。チャンピオンの権限だ。東郷もいつ乱入するかわからない。タイガー、金本、垣原覚悟しておけ。福岡では竹村と外道がベルトをとる。予言だぞ、予言」


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