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映画評

    2005/10/22 バックナンバーへ

ヒロイン気分にひたり涙…

「私の頭の中の消しゴム」(韓)

 罪な映画である。うかつにも、29歳、独身の自分の中に封じ込めていたヒロイン願望が刺激されてしまった。超イケメンがとにかく尽くす。ヒロインが病気と知ると「僕が一生面倒を見ます」と即答。目まいでフラッと倒れると、サッとお姫さま抱っこ。頭の片側で「こんなに紳士的で男らしい人、現実にいるわけないじゃん」と思っても、もう片側で「いつかはこんな人と…」と期待をふくらませている自分を発見して、驚いた。

 これは何より配役の力だろう。王子さまはチョン・ウソン。「MUSA」などに出演し、韓国では今やチャン・ドンゴンらに並ぶ人気俳優。元モデルだけに、妻のために1つ1つ小さなメモを書いていく姿ですら美しい。ヒロインのソン・イェジンには、前公開作「四月の雪」の不倫に苦悩する主婦から、かわいくはかなげな女性への変ぼうに驚かされる。両作とも背負うものは重いのだが、1対1の愛の分だけ、救いや明るさも感じる。「電車男」のように最近のラブストーリーは美女と野獣の組み合わせも多いけれど、やっぱり正統派美男美女は強い。

 展開も巧みだ。2人が結ばれる過程、幸せな時間を丹念に描き、若年性アルツハイマーが本格的に発症してからは急展開。時間的にもコンパクトにまとめてある。この激しい落差が、どっぷりヒロイン気分にひたっていた観客の涙を有無を言わせずしぼり取ってしまう。

 本当は救いのない悲劇なのだが、どんな女性でもついソノ気にさせる、強力なシンデレラストーリーだと思う。

(このコラムの更新は毎週土曜日です)

【近藤由美子】
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