速報記事一覧へ スコア速報一覧へ スポーツカレンダーへ

nikkansports.com・ホームへ

共通ナビゲーションを飛ばす。ページメニューへ MLB | PDF号外 | プレゼント | 占い | 映像 | 新聞購読
0
googleの検索機能
nikkansports.com・ホームへ
ページメニューを飛ばす。コンテンツへ
TV全国番組表

click here!
芸能TOP
シネマ
占い
インタビュー
イベント/チケット
黛まどか
TV全国番組表
メーンメニュー
・ 野球 ・ サッカー
・ スポーツ ・ バトル
・ 競馬 ・ 芸能
・ 社会 ・ 釣り
ページトップへ
芸能タイトル

  インタビュー<日曜日のヒーロー>
日刊スポーツ(東京本社発行分)のバックナンバーを
希望される方は→こちらをご覧ください
第420回    藤田まこと  
2004.07.04付紙面より

藤田まこと
写真=「いくら何でも、やってくれないだろうなぁ〜」。しかし、5000円も出した大きな買い物だったし、今さら引けない…。取材後に、意を決して言ってみた。「あの〜、近鉄のユニホームとヘルメットを用意してきたんですが…」。その次の瞬間、なんと「おお! いいな。ウチにも飾ってるぞ、これ」と言うや否や、ユニホームにそでを通した藤田さん。ヘルメットもかぶり、そして一言「(近鉄)オーナー、しっかりやらんかい! 」
(写真と文・鈴木豊)

戦争、合併…世の中、人情味がなくなったのか

 俳優藤田まこと(71)が怒っている。17年目に入ったテレビ朝日系「はぐれ刑事純情派」の安浦吉之助刑事役そのままに温厚な人柄で知られる大ベテランだが、最近は「戦争」「合併」という2つの言葉が、怒りのツボをいたく刺激するらしい。芸歴50年以上におよぶ藤田の怒りの裏には、深い理由があった−。


ヒロシマに習え

 大事にしている、1枚のはがきがある。差出人は17歳の若さで戦死した兄真一さん。海軍特別少年兵に志願し、44年8月に船で沖縄に向かったのが最後だった。はがきは出港直前に鹿児島で書かれた。真一さんは当時11歳、小学5年の藤田を「お父ゥやお母ァさんの言ふ事を聞いてしっかり勉強をしてください」と励まし、「お父ゥさんもお身体を大切にあまり無理をなさらない様に早くもとの様に太って下さい。お母ァさんも(妹の)真理子もお姉さんも皆お元気で。さようなら」と結んでいる。

 「17歳の少年を戦争に駆り立てたものは何だったのか。僕は戦争がトラウマになっている。新聞でも『戦争』の2文字が目に入っただけで、もうそれ以上は読みたくなくなるんです」。

 そんな思いから、今年3月の明治座の舞台では、歌のコーナーで兄のはがきを紹介し、イラクへの自衛隊派遣に反対を表明した。人気稼業の俳優が、政治的な問題で意見を鮮明に打ち出すのは日本では珍しい。

 「公演中に、劇場に圧力団体から電話があったそうです。やめさせろと。でも、僕はやめませんでした。戦争は人を殺し合うこと。日本は憲法で戦争を放棄したんですから、戦争にかかわることがあってはならない。最近、戦争が風化してきて、世の中や政治の動きもおかしい。だから、言い続けなくてはいけないと思っています」。

 6月13日に発表されたプロ野球の近鉄とオリックスとの合併問題も、藤田を怒りで熱くした。50年以上の近鉄ファンで、後援会の副会長も務めている。合併阻止をあきらめていない。

 「まだ反対のノロシを上げていこうと思っています。いろいろ手を尽くしたのなら分かるけど、草の根の努力を何もせず、急に合併を決めるなんて、全くのファン無視ですな」。

 もとは南海ホークス(現ダイエー)ファン。しかし、あまりに盛り上がらない近鉄の応援ぶりに同情。「きっちり応援してやろう」と転向した。

 「大阪から球団がなくなるのはつらく、寂しい。近鉄の経営者は選手の年俸を見直すなどして、知恵を振り絞って赤字を減らす努力をしたのか。広島も貧乏球団だけど、経営難になった時には、球場前でファンに募金を呼び掛けたりして、必死の思いで立て直した。それを見習ってほしかった」。

 ネット関連企業が買収に名乗りを上げたが「どういう会社かよく分からない」と推移を見守っている。


不景気対応俳優

 7日から始まる「はぐれ刑事純情派」は17年目に入った。派手なアクション場面はないが、人情味あふれる安浦刑事が根強い人気を獲得し、回を重ねている。

 「人を愛する心、信じる心をテーマに、1作ごとにみんなで戦いながらつくってきたからでしょう。妥協しないで、言いたいことは言い合おう、とやってきた。今でもプロデューサーとはよくケンカしてます」。

 これだけの長寿番組になると、こんな笑い話も生まれる。

 「レストランにカミさんと入ろうとしたら、威勢のいい兄ちゃん2人が従業員を怒鳴りつけているんです。でも、僕の顔を見た若い方が先輩格に耳打ちして、2人とも下を向いて出ていった。刑事と思ったんでしょう(ハッハッハッ)」。

 62年に始まった「てなもんや三度笠」は当時で最高視聴率65%のお化け番組だった。あんかけの時次郎にふんし「当たり前田のクラッカー」のギャグなどで全国区の人気者になった。しかし、68年に番組が終わった後に地獄を味わった。

 「仕事がなくなったんです。ディレクターに言われた通りにやっていただけで、自分で何もできなかった。当時トーク番組があったら、しゃべりができる僕はいいように使われたでしょう。でも、数年で使い捨てにされ、この世界にいなかったでしょう。歌でキャバレーなどを回って食いつないだけど、今から思うとそれが良かったですな」。

 そんな藤田を救ったのが、73年スタートの「必殺シリーズ」の中村主水(もんど)だった。奉行所では目立たず、家でもしゅうとめと嫁にいびられる男が、実はすご腕の仕事人というギャップがうけて、20年続いた。藤田には長く続くドラマが多いが、その理由を「『不景気対応型俳優』ですから」と分析した。

 「僕は平均して合格点の視聴率がとれる俳優なんです。景気がいいときは、視聴率にかげりが出てくると、テレビ局は金をかけて視聴率の稼げる番組を新しくつくろうとするけれど、景気が悪いと、そんな冒険ができない。手堅い僕の続投となるんです」。


「謙虚」「気配り」

 2人の「父」の教えを大事に守っている。父の藤間林太郎は売れない時代劇俳優だったが、亡くなる直前に「役者はせっけんとは違う。風呂に入れば、必ずせっけんを使うが、役者はそんな必需品とは関係のない余分な職業だ」とさとした。役者は見る人の好意で成り立っているから、常に謙虚であれという教えだ。

 そして、芸の父で師匠だった新国劇の辰己柳太郎からは「座長心得」を伝授された。「お前はおれと同じ不器用な役者だから、真ん中でボーと立っているだけでいい。周りにいい脇役をそろえて、一生懸命にやっているふりをしろ」と。その心は、共演者を大事にしろということだった。

 だから、共演者やスタッフに細心の気配りを忘れない。寒いロケ現場で、冷たい弁当に冷えた紙パックのお茶に怒ったなど、弁当にまつわるエピソードも多いが、その1つが「1000円事件」だ。

 「名古屋でロケがあって、晩飯用にとスタッフに1000円を配ったんですわ。それを見て、晩飯に1000円では少ないだろうと『あと500円出してもらえませんか』とお願いしたんです。でも、後で『なぜ1000円』と言えなかったのか反省しました(ハッハッハッ)」。


30億返済にメド

 93年にバブル崩壊で、幸枝夫人が大阪や京都で経営していた料理店が不渡りを出して倒産。約30億円の借金を背負い込んだ。その時、60歳。会社員なら定年だが、以降、藤田は「年中無休」を掲げ、ドラマ、舞台、歌の巡業などの仕事を精力的にこなし、借金を返済してきた。数年後に完済できるめどもついてきたというが、それも家族への思いという原動力があったからこそだ。

 「僕は貧乏人だったし、かみさんも小さいころに親を亡くして同じような境遇で育ってきた。だから(3人の)子供たちにはそんな思いをさせたくないとやってきた。子供たちのためにも頑張ろうとね」。

 ハワイに住む孫の花(か)リーナちゃん(6)は、大の安浦刑事ファン。「今、日本に来ているんですが『撮影所をみたい』と言うんですわ」と話す藤田の表情は、怒りや苦労をひととき忘れ、優しいおじいちゃんの笑顔になっていた。


礼儀正しく情がある方 芝居の面では厳しさも

 「はぐれ刑事」で16年間共演している真野あずさ(46) いつも優しく気を使っていただいて、和気あいあいとやらせてもらっています。礼儀正しく、情のある方ですが、お芝居の面では厳しく、若い共演者には間のとり方やセリフの言い方などをちゃんと教えていらっしゃいます。エンディングロールでは、世間話とかいつも楽しい話をしてくださいます。私にとっては藤田さん=安浦刑事で「はぐれ−」の現場にくると、ホッとしますね。


 ◆テレビ朝日系「はぐれ刑事純情派」◆ 7日スタート(毎週水曜午後9時)。第1シリーズは88年に始まった。藤田ふんする中年刑事の安浦を主人公に、真野あずさ、梅宮辰夫、小川範子らが出演。今シリーズからは国広富之、村上信五が参加


 ◆藤田(ふじた)まこと 本名・原田真。1933年(昭和8年)4月13日、東京・池袋生まれ。父は時代劇俳優の藤間林太郎。歌手からコメディアンに転身。57年「スチャラカ社員」などを経て、62年「てなもんや三度笠」で人気者に。舞台も「東海林太郎物語 歌こそ我がいのち」「人生まわり舞台」などがあり、91年にミュージカル「その男、ゾルバ」で芸術選奨文部大臣賞。02年に紫綬褒章を受章。著書に「人生番狂わせ」。173センチ、血液型AB。


(取材・林尚之)

前のページへ戻る このページの先頭へ
ニッカン倶楽部広告ガイド会社案内このサイトについて問い合わせ
  nikkansports.comに掲載の記事・写真・カット等の転載を禁じます。
  すべての著作権は日刊スポーツ新聞社に帰属します。
  
野球ページへ サッカーページへ スポーツページへ バトルページへ 競馬ページへ 芸能ページへ 社会ページへ 釣りページへ