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第427回    北村総一朗  
2004.08.22付紙面より

北村総一朗
写真= 取材前、北村総一朗さんの顔が浮かばなかった。デスクから「踊る大捜査線」の署長役と聞いて、あの親しみやすい笑顔を思い出した。取材当日、北村さんからこちらが恐縮するほどのていねいなあいさつを受け、映像で見たままのやさしい笑顔でインタビューがスタートした。若い女性からも「かわいい」と言われる北村さんの最高の笑顔を狙ってシャッターを切った。それにしても20歳も年下の奥様は、うらやましい限りです。
(撮影・神戸崇利)

豪快な笑い声を支える幸せぶり

 日本で一番元気な66歳。そう言い切ってもいいかもしれない。俳優北村総一朗。テレビ、映画の「踊る大捜査線」シリーズの、あのとぼけた署長役だ。50歳で20歳年下の後輩女優と結婚してから上昇気流に乗り、60歳で大ブレーク。そして今まさに“旬”を迎え、不可欠な脇役としてひっぱりだこだ。老練さの中に光る不思議な若々しさ。その秘密はどうやらぞっこんの妻にあるようで、オノロケをたっぷり語ってくれた。


「踊る」署長で人気

 街に出ると女子中高生から「署長だ! 」「かわいい! 」と声が飛ぶ。こんなオジサンは珍しい。

 「いやー。変な気持ちだよね。この年になってサインを求められたりね。みんな携帯で写真も撮るしね」。

 戸惑ったような、まんざらでもなさそうな…。その口調は、難題を抱えて「まずいよねぇ」とあたふたする「踊る−」の神田署長を思い出させる。わがままでお気楽。「理想の上司」にはほど遠いが、どこか憎めない。副署長(斉藤暁)刑事課長(小野武彦)との中間管理職トリオ「スリーアミーゴス」を率いる味わいある役柄が人気だが、意外にもアドリブはない。

 「あれは全部、本(台本)にきちっと書かれてるのよ。3人で話し合ったのは『面白い本だからおかしく演じるのはよそうよ。自然に淡々とやろう』ということ。役者って面白いと思うと、ついそこを押しちゃうんだよ。でもかえってつまらなくなるんだよね」。


大学で林業を専攻

 演技を口にすると、つい熱っぽくなる。舞台でキャリアを積んだ。スタートは演劇部に所属した高校時代。のめり込んだのは高知大学農学部に進み、演劇研究会に入ってからだった。

 「林業政策が専攻で、山に入って測量したり、木の葉を400種類くらい集めて、その木の名前を覚えたり…。もう全部忘れちゃったね。演劇に夢中で、心ここにあらずだったから」。

 卒業論文発表は人生の決意表明の場になった。

 「『これから演劇の道に進みます。林業政策には絶対迷惑をかけないので、合格点を下さい』と言ったら、どっと笑いが起きました。真剣だったのに」。

 大学進学時は上京を猛反対した母親も、文学座養成所の第1期生に選ばれると止めなかった。

 「母子家庭だったこともあって、母はサラリーマンとか普通の職業に就くことを望んでた。でも最後はあきらめたのかな」。

 待ち望んだ演劇に首までつかる日々。だが、言葉のハンディは大きかった。

 「アクセント辞典はいつもかばんの中にあったね。当時は標準語が至上命令。でも土佐弁で表現していた気持ちが標準語だと分からない。外国語みたいに置き換えたりしたよ。『すごくきれいだね』を『まことげにきれいじゃの』とすると『うわーっ、きれいだな』と、気持ちが乗るんだ」。


ベッドの上で求婚

 40歳近くまで、風呂なしのアパート生活だった。6畳一間に友達と住んだりもした。でも悲壮感はない。

 「食うのに精いっぱいだったけど、貧乏は当たり前。みんなそうだったから、全然気にならなかった。演劇ができることが楽しかった」。

 独身生活が続いた。結婚について人一倍慎重だったこともある。

 「両親が離婚してるから、結婚したら絶対別れたらいけないという気持ちがあったんだよね。慎重に、憶病になってるうちにダメになったりしてね」。

 それが、50歳で突然、結婚した。交際わずか3カ月。相手は当時30歳で、同じ劇団の女優磯辺万沙子。急性肝炎で入院したのがきっかけだった。

 「急な入院で、自分の部屋の地図を書いてタオルとか下着とかを持ってきてもらったんだ。それからも来てくれて。そのうち結婚するならこんな人だって思って。ベッドの上で『一緒になってくれ』ってプロポーズしてね」。

 周囲からは「犯罪だ」ともからかわれた。だが「退院して婚約」という考えが浮かばないほど、ほれた。

 「実はせっかちなんだよね。恋愛でいろいろ辛酸をなめたけど、それまでに付き合った人と全然違うひらめきがあったね。逃してなるものかって」。


「愛してる」チュー

 夫婦の性格は正反対だが、楽しくて仕方ないらしい。

 「僕は神経質で眠れない方だけど、女房はおおらかで平気なのよ。どこか行くにも僕は時間通りでないとすまない。口げんかはするけど、本当のけんかにはならないね。魅力? それを言えたとしたらほれてないんだよ。女房との関係を一言で言うと『運命共同体』だよね」。

 オノロケは加速した。

 「休みの日はずっと一緒。買い物に行ったり、飯を食いに行ったり。甘い言葉? ときどき『好きだ』とか『愛してる』とか言うし、チューしたりもするよ。軽くね(笑い)。いろんなことを経験して、言葉1つが大事と分かったから」。

 唯一の悩みは、肉体の変化を分かってもらえないこととか。

 「腰が痛いとか階段がつらいとか言っても、女房はピンとこない。2〜3年前からやっと老眼は共有できるようになったけどね」。


掃除に洗濯に炊事

 夫婦それぞれがプロの演技者。北村家には「舞台をやっている方が王様」という家訓があるが、これもぞっこんだからこそ実行できるものだろう。

 「舞台は精神的にも肉体的にも本当に疲れるからね。ほかのことは何もしたくないという気になる。だから女房が舞台に上がっているときは、洗濯も掃除も僕がするし、ごはんだってつくるよ」。

 こんな「超」晩婚と仕事の運気上昇が不思議に一致する。まるで、私生活に訪れた遅い春が、仕事にも花を咲かせたようだ。60歳でかかわった「踊る−」が転機になり、テレビの仕事が増えた。今や、ドラマには欠かせない代表的脇役となった。もちろん、この間、当人の俳優としての軸足はなんらぶれていない。

 「舞台には客と有機的なつながりがある。40日くらいけいこしてつくり上げるんだ。テレビはカメラが相手で、現場が勝負。共演相手がどうくるか計算できないから、緊迫感があるよね。どちらも大事だな」。

 既に芸歴30年以上。円熟の年齢だが、話の内容とは裏腹に言葉はどこまでも若々しい。


妻のために酒断ち

 「舞台でもドラマでも、バラエティーでも若い人が多いでしょ。ものすごいエネルギーを吸収できるの。いろんな感性をもらって。女房? その影響もきっとあるよな。この先? いただいた仕事をしっかりやるだけだよ。最期はよだれを流してでも舞台に立ちたいね。ただよく言う『舞台の上で死にたい』ってのはないよ。残った人に迷惑が掛かるからね(笑い)。死ぬまでやりたいってだけだよ」。

 病気以来、酒を断ち、3年前からはたばこも控えている。「芝居をしたい」という思いのほかに、理由がもう1つ。

 「女性は男性より約10年平均寿命が長いから、僕が死んでから女房は30年生きなきゃいけない。それを考えるとつらいよな。だから長生きしようと思うんだ。なんだか女房の話ばかりになっちゃったな」。

 豪快な笑い声に、こちらは「ごちそうさま」とつぶやくしかないのだが、奥さんからもらっている元気を、少しだけもらったような気にもなった。魅力の秘密はこんなところにあるのかもしれない。


結婚するならば絶対、北村さんみたいな人

 「南くんの恋人」で共演する女優深田恭子(21) 初共演ですが、私は北村さんの笑い声が大好きです。そばにいると、私まで楽しくなってしまいます。あと奥様のお話をされるとき、すごく幸せそうで、奥様思いでラブラブなんだなぁ〜と感じ、うらやましく思います。結婚するなら絶対、北村さんみたいな人がいいなと思います。これからもすてきな笑顔、私の大好きな笑い声で和ませてください。現場ではご一緒するシーンがあまりないので、お会いできる日を楽しみにしています。


 ◆北村総一朗(きたむら・そういちろう) 本名・北村総一郎。1937年(昭和12年)9月25日、高知県生まれ。高知大卒業後、文学座、劇団雲を経て、76年から劇団昴に所属し舞台で活動。97年フジテレビ系「踊る大捜査線」で署長役を好演。98、03年の映画版にも出演。現在、テレビ朝日系「南くんの恋人」でヒロインの祖父役をシリアスに演じる。10月からは同局系「新・京都迷宮案内」に出演。172センチ、71キロ。


 ◆磯辺万沙子(いそべ・まさこ) 本名・北村真佐子。1957年(昭和32年)5月14日、福岡県生まれ。日大芸術学部卒。昴演劇学校を経て、82年から劇団昴に所属。舞台のほか、声優としても活動。158センチ、52キロ


(取材・市川知幸)

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