サンウ主演映画試写会に日本から100人超
韓流の勢いはまだまだ続く。ソウルで行われた俳優クォン・サンウ(29)主演の映画「美しき野獣」(キム・ソンス監督、2月11日公開)のプレミア試写会には、新年早々に組まれたツアーながら「お正月よりクォン・サンウ」という日本人ファン100人以上が訪れた。青春スターのサンウが同作で初めて陰のある役を演じたとあって、韓国内でも期待は高く、1日で3000人を集めた大規模プレミアとなった。
プレミア試写会は3日にソウルで最も大きなシネコンで行われた。マスコミやファン、芸能人向けに昼夜2回、それぞれ約500人収容の劇場3つで同時に上映し計3000人を集めた。
これだけ注目されたのは、作品とともにサンウのイメージチェンジの期待も高かったからだ。これまで、純朴な青年かやんちゃな青年を演じてきたが、同作では不器用で陰のある刑事役に挑戦した。家族への愛や正義感などが絡み合うシリアスで複雑な役柄だ。
昼の上映でマスコミとともに試写を見たサンウは「持っているもの100%出して撮った。今まで出た中でも最高の作品になった。演技者であることの証明ができました」と自信を見せた。また、これまでの出演5作品では考えられなかった、18歳未満鑑賞不可の制限が付いた。過激な暴力シーンに対する措置だが「制限があっても愛された映画はたくさんある。真摯(しんし)な映画だと思ってもらえるはず」と、気にする様子はなかった。
また、スタントなしの本格アクションをはじめ、無精ひげもスクリーン初披露。舞台あいさつにもひげ姿で登場したサンウに、日本人ファン約100人も大興奮だった。茨城県からツアーで訪れた主婦大里美恵子さん(45)は「スタントなしの撮影ではけがを心配してしまいましたが、今までとちょっと違うサンウさんに期待しています」と話した。
東京や大阪から3日間の日程で組まれたツアーは約10万円。新年早々の出発だが、韓流ファンには関係ない。関西から来た40代主婦4人は「お正月はまったく興味ありません。家族もあきれてます」。ほかにもツアーに参加せず自力でチケットを手に入れたファンや、チケットを持たずに劇場に来て関係者と交渉するファンもいた。06年も続きそうな韓流の熱気に「18歳未満観賞不可」の制限など関係なかった。【小林千穂】
[2006/1/5/06:43 紙面から]
|