あゆがスケバン!?桜塚やっくんだよ〜ッ!!
お笑い界にまた新しいキャラクターが登場した。日本テレビ系「エンタの神様」で女装キャラ“スケバン恐子(きょうこ)”を演じている桜塚やっくん。浜崎あゆみ似のキュートなルックスと「がっかりだよっ!」「豆知識だよっ」と大暴れする男前なテノールとのミスマッチが話題で、お客さんをツッコミ役に引っ張り出す強引なコントが若い女性にウケている。芸歴6年のやっくんは「このキャラ作って大正解だよっ!」と、ブレークを予感している。
映画「キル・ビル」のテーマ曲で登場するやっくんは「かわいい〜」という歓声に目をむき、男前な声で「うるせー!!」。若い女性が中心の客席とは、この段階で早くも一体感が生まれている。「注目!」。文字通り客席は彼の動きから目を離さない。
関東スケバン連合総長であるスケバン恐子が緊急集会を開くという設定。客席から選んだ2、3人に「早いよ」「足だよ」などのツッコミワードを指定し、恐子がボケる。相手がタイミングよくつっこんでくれるかは予測不能。「歩きすぎて手が棒だよ」。…。ここでつっこみを怠ると「足だよーッ! 何ぼさっとしてんだい!」と檄(げき)が飛ぶ。客席にツッコミ役を担わせる一体感と、どこへ展開するか分からないライブ感が魅力だ。
恐子のキャラクターができたのは昨年6月。2カ月前にコンビ「あばれヌンチャク」を解散し、ピン芸人として芸風を模索する中で生まれた。「怒ってるようなキャラクターの芸人がお笑い界でウケていたのと、コンビ時代に評判の良かった女装コントがベース。『怖い』と『女装』を合わせたら、スケバンか極道の妻しかなくて。最初は映画キル・ビルの栗山千明さんをイメージして、それで登場曲もキル・ビルです」。
観客巻き込み型ステージも独特だ。「寂しかったんですよ。1人だと掛け合いができる相方がいなくて。でもよく見たら、目の前にたくさん相方いるじゃんって」。ツッコミ要員の人選は出たとこ勝負。「選ぶポイントは、女の子は元気な子。男の人は第1ボタンまで閉めちゃってるようなダメな人をわざと指名してみるのも好きですね。指定した言葉を勝手に変えてボケようとするうっとうしい人もいれば『組みてえな』と思うほどうまい人もいる。どれも楽しい。このキャラ作って大っ正解」。
それにしてもこのルックス。「僕自身の顔は大したことないんですけどね。メークしてカツラかぶった瞬間、違う人に見える。目がぱっちりしている女性が好きなので『あ、アリかな』って。ケータイの待ち受け画面もこの顔。人に芸風を説明するのにラクだし、面倒な時は『おれの彼女』って言ってます」。相当モテそうだが「素顔だと街でも誰も気付いてくれない…。がっかりだよっ」。
[2006/2/27/09:48 紙面から]
写真=トレードマークの竹刀を手にポーズを決める桜塚やっくん(撮影・中島郁夫)
|