経営再建中の三洋電機は25日、前会長で創業家の井植敏・代表取締役兼取締役会議長(73)が辞任する、と発表した。この日の取締役会で、3000億円の増資を正式決定。経営を悪化させ、巨額増資を余儀なくされたことの責任を取った。
ジャーナリストの野中ともよ氏(51)は会長にとどまるものの、最高経営責任者(CEO)を外れる。CEO職の廃止に伴うものだが、経営手腕を疑問視される野中氏の権限をそぐ狙いがあるとみられる。井植氏は創業者、故井植歳男氏の長男で、86年から社長、会長を約20年間務めた。昨年6月、野中氏を後任会長に据え、長男の井植敏雅氏(43)を社長に就任させて会長を退いたが、増資引受先の金融機関などが経営責任の明確化を強く求めていた。
三洋電機は今年3月期で2330億円の連結純損失を見込み、2年続けて大幅赤字に陥る。
[2006/1/25/20:08]