パレスチナ強硬派ハマス圧勝、連立協議へ
パレスチナ選挙管理委員会は26日夜、前日の評議会(定数132)選挙の開票結果を発表、初参加のイスラム原理主義組織ハマスが半数を大幅に上回る76議席で圧勝し第1党となった。自治政府のアッバス議長の与党ファタハは43議席で惨敗、議長はハマスと連立の可能性を探る協議に入ると表明した。
反イスラエル武装闘争を掲げる強硬派が初めて自治政府を主導することで、パレスチナ情勢の一層の混迷は確実。イスラエルのオルメルト首相代行はハマス主導の自治政府とは交渉しないと表明した。
ハマスは93年の暫定自治宣言(オスロ合意)に反対し、和平交渉を進めてきたファタハ主導の自治政府に対しても批判勢力だった。アッバス議長は「議長としてイスラエルとの平和的解決を追求する役割を実行する」と述べ、和平交渉を放棄しない考えを明らかにした。
ブッシュ米大統領は26日「イスラエル破壊を政策に掲げる組織は和平のパートナーになり得ない」として、ハマスが武装闘争を放棄しない限り、米政府は交渉しないと強調。
ライス米国務長官は同日、欧州連合(EU)、ロシア、国連当局者と電話で4者協議を行い、ハマスに対してテロを放棄し、イスラエルの生存権を認めるよう求める声明を出した。
AP通信によると、パレスチナ当局者はファタハがハマスとの連立内閣に参加しないことを幹部会議で決定したと発言。ハマス側は幹部のハニヤ氏が連立に意欲を示す一方、最高幹部の1人ザハル氏はハマス単独で組閣する可能性を示唆した。
ファタハ幹部の間には、連立を組めば多数派のハマスに押され発言力が低下すると警戒の声が上がっており、両者の駆け引きが当面続きそうだ。一方、イスラエルのオルメルト首相代行は26日、外相や国防相らと緊急会合を開催した。
[2006/1/27/15:12]
|