東横イン、全国各地で不正改造し法令違反
大手ビジネスホテルチェーン「東横イン」(東京)のホテル不正改造問題は27日、島根県出雲市のホテルがオープン後、身障者用客室を会議室に改造、大阪市の4ホテルが建築基準法に違反し身障者用駐車スペースを倉庫やロビーにするなど、各地で法令違反があったことが分かった。
法令違反が疑われるケースは少なくとも8府県に及び、同社の西田憲正社長は同日夕、全国に計120ある系列全ホテルを調査、結果を来週中に公表する意向を明らかにした。出雲市のホテル改造は本社が指示していたという。
出雲市などによると、同市のホテル「東横イン出雲市駅前」は昨年6月7日に開業。市が同月1日、条例に基づき完了検査をした際は1階に身障者用の客室が1室あったが、約1カ月後、会議室に改造し、正面玄関前の視覚障害者誘導用の点字ブロックもオープン直前に撤去していた。
条例は50室以上のホテルに、身障者用客室の確保と誘導ブロック設置を求めている。罰則規定はないが、出雲市は27日午後、条例に基づき立ち入り検査した。誘導ブロックの撤去は、建物のバリアフリー化を義務付けた「ハートビル法」違反の可能性もあるという。
同ホテルによると、本社が改造を指示、工事業者も手配した。身障者の宿泊は、オープン以来数件あったが、予約時に一般の客室を用意すると説明、苦情はなかったとしている。
このほか、さいたま市や埼玉県草加市、大阪市、松山市、長崎市などの系列ホテルで身障者用駐車スペースの標識がなかった。兵庫県姫路市のホテルは、完了検査後に点字ブロックをはがしていたことが判明。神戸市、鹿児島市などのホテルも法令違反が見つかった。
[2006/1/27/23:00]
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