北朝鮮による拉致事件に関連して国際手配中の元工作員辛光洙容疑者(76)が85年に韓国で逮捕された際の取り調べで、北朝鮮の金正日総書記(当時は書記)から、日本人を拉致して本人に成りすまし工作活動を続けるよう直接指示を受けたと供述していたことが、複数の日韓関係筋の話で明らかになった。金総書記は東南アジアでの拠点設立や、拉致行為を極秘にすることも指示していたという。
それによると、朝鮮労働党対外情報調査部(当時)の工作員だった辛容疑者は80年初めに、平壌にある朝鮮労働党の「三号庁舎」で金総書記と会い、日本人を拉致し本人に成りすまして対韓国工作を行うよう命じられた。辛容疑者は同年6月、現金1万ドルなどを渡され、同部の指示を受けて日本に入り、原敕晁さんを拉致し、宮崎県の海岸から工作船で帰国。その後は原さんに成りすました。
[2006/2/4/20:58]