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  現代医学が明かす漢方の威力
 

【第69回】

腸内細菌を上手く使う

現代医学が明かす漢方の威力

抗がん剤の副作用・下痢(2)

 抗がん剤は、いかに副作用を抑えてがん細胞を殺すかが、大きな課題だ。塩酸イリノテカンの場合は、投与後数日して起こる遅延性の下痢がひとつのネックになっていた。あまりに激しい下痢のために、体力が失われて治療が続けられなくなることもある。しかし、北海道大薬学部の鎌滝哲也教授は、漢方薬によってこの下痢を抑えることに成功した。

 なぜ、遅延性の下痢が起こるのか。そのしくみは次のように考えられた。塩酸イリノテカンは、体内で化学変化を起こした後、抗がん剤として作用する。すなわち、SN38という物質に変わってがん細胞を死滅させる。その後、SN38は肝臓で解毒される。詳しくいうと、肝臓にある酵素(UGT)によってSN38にグルクロン酸がくっつき、グルクロン酸抱合体になる。こうなると、毒性がなくなる。つまり、無毒化されて胆汁に入り、腸に排出される。しかし、ここが問題なのだ。

 肝臓でグルクロン酸抱合体になった塩酸イリノテカンは、無毒化されている。ところが、腸にはたくさんの腸内細菌がすんでいる。こうした腸内細菌は糖をエサに生きている。実は、グルクロン酸も糖の一種なのだそうだ。そこで、ある種の腸内細菌はグルクロン酸をエサにするために再び切り離してしまうのだ。つまり、腸の中でグルクロン酸が離れて、再び毒性の強いSN38ができてしまうのだ。これが、腸の細胞を傷害し、激しい下痢を起こすと考えられるのである。

 このストーリーを塩酸イリノテカンの開発者から聞いたとき、鎌滝教授の頭にひらめいたのが漢方薬だったのである。「漢方薬の多くは、グルクロン酸抱合体かブドウ糖と結合しているんです。腸の中で腸内細菌がこれを分解して、ブドウ糖を食べることによって薬の部分が吸収されるのです」。つまり、漢方薬も塩酸イリノテカンも同じように腸内細菌によって、グルクロン酸抱合が分解される。ならば、漢方薬と塩酸イリノテカンを一緒に腸に入れて競合させたらどうか。それが鎌滝教授のアイデアだった。

【ジャーナリスト 祢津加奈子】

漢方薬とグルクロン酸抱合

 漢方薬は腸内細菌によってグルクロン酸が外されることで、薬効成分が腸から吸収されて作用する。そのため、腸の中を無菌状態にすると効かないことが分かっている。
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