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  現代医学が明かす漢方の威力
 

【第72回】

単独投与と変わらぬ薬効維持

現代医学が明かす漢方の威力

抗がん剤の副作用・下痢(5)

 北海道大薬学部の鎌滝哲也教授の研究から、半夏瀉心湯(はんげしゃしんとう)を併用すると、塩酸イリノテカンによる激しい下痢の副作用を防ぐことができることが明らかになった。

 半夏瀉心湯は、一度は無毒化された塩酸イリノテカンが腸内細菌によって分解され、再び毒性を持つのを阻止してくれるのだ。といっても、ここで毒性を持つのはSN38といって、がん細胞を殺す本体。万が一にも抗がん剤としての作用が落ちることがあってはならない。そこで、鎌滝教授は、半夏瀉心湯を併用した場合の塩酸イリノテカンの効果も確かめている。結論からいうと、半夏瀉心湯を併用しても、塩酸イリノテカンを単独で投与した場合と、抗がん剤としての効果は変わらなかったそうだ。

 以前は、下痢のために塩酸イリノテカンによる治療を途中で断念したり、ときには下痢のために命を落とすことさえあった。しかし、今では下痢は致死的な副作用とは考えられていない。これは、シスプラチンという抗がん剤と併用することで、塩酸イリノテカンの投与量を減らせるので、その分下痢も軽くなったこと、そしてもうひとつが、半夏瀉心湯によって下痢を予防できることが分かったからである。

 鎌滝教授は「最近では、最初から半夏瀉心湯を併用しているので、塩酸イリノテカンによる下痢を見たことがないという若手の医師も出てきました」と笑う。それほど急速に半夏瀉心湯の効果は全国に広まったのである。逆にいえば、1日も早く塩酸イリノテカンによる下痢を止める方法が求められていたのである。

 「私の研究は、薬物代謝(体内での薬物の化学変化)からの発想で、半夏瀉心湯の漢方薬としての作用は見ていないのです。最近では、そうした作用も下痢の予防に効いているのではないかと言われています」と鎌滝教授。しかし、大事なのはメカニズムより患者に効くことだ。世界的に著名な薬物代謝の研究家の思いつきから始まった研究は、塩酸イリノテカンを使いやすくし、がん治療の現場に大きく貢献しているのである。

【ジャーナリスト 祢津加奈子】

抗生物質

 塩酸イリノテカンは、肝臓でいったん無毒化された後、腸内細菌によって分解されて再び強い毒性を持つ。そこで、鎌滝教授は抗生物質で腸内細菌を殺してみた。これでも下痢は大幅に改善されたが、がん患者に副作用予防を目的に抗生物質を投与することはできない。
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