【第50回】
評価法で早め対策を
慢性疲労症候群(4)
不登校の子どもたちの脳や身体機能を20年間研究して来た熊本大病院小児発達科の三池輝久医師らは厚生労働省の研究事業として、小児慢性疲労症候群としての不登校重症度評価法を発表している。
【不登校重症度評価法】
0 通常の学校生活に制限を受けない。
1 通常の学校生活で授業も頭に入るが、しばしば疲れを感じる。
2 通常の学校生活で授業も頭に入るが、頭痛、腹痛、だるい・疲れる、気分の不良、微熱が続き、保健室訪問や遅刻が増加し、帰宅と同時に寝てしまう。
3 心身不調で月に数日は登校できず自宅にて休息が必要。
4 心身不調で週に2日以上は登校できず自宅にて休息が必要。
5 全く登校できず、集中力や記憶力が低下している。
6 全く登校できず、集中力や記憶力が低下しているが、午後や夜間の外出は可能。
7 全く登校できず、集中力や記憶力が低下していて、外出もできない。
8 全く登校できず、集中力や記憶力が低下している。身の回りのことはできるが、日中の50%はベッドに入っている。
9 身の回りのことも出来ず、終日寝ている。
熊本大病院発達小児科では、子どもが2の状態になったら小児慢性疲労症候群を疑い、3の段階で発病と診断している。この段階で睡眠時間を知らせるホルモンであるメラトニンなどを処方して、1〜2時間長く睡眠を確保することで予防ができる。その上で、脳の疲労の原因となった緊張不安の元について、カウンセリングや話し合いを行う。2や3と判断した時にはすぐに教師、保健担当者、保護者、小児科医の4者で話し合い、2週間ほどの治療スケジュールもつくっている。
【ジャーナリスト 月崎時央】
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