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本紙記者コラム「見た・聞いた・思った」
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2004/07/01日付紙面より 過去のコラム一覧へ

久々天然モノ柳楽君

文化社会部 梅田恵子記者

 ブームも一段落だと思っていたら、ほほ笑ましい場面に出くわした。「誰も知らない」(是枝裕和監督、8月公開)でカンヌ映画祭主演男優賞を受賞し、一躍“時の人”になった柳楽(やぎら)優弥君(14)。彼が、映画「美しき諍(いさか)い女」などで知られるフランスのセクシー女優エマニュエル・ベアール(38)に抱きしめられ、棒のように固まっていた。

 先日のフランス映画祭横浜の開幕式に特別ゲストとして招かれた時のハプニングだった。フランス代表団長であり、カンヌでも審査員を務めたベアールから「君に一目ぼれしちゃった」と熱烈歓迎を受け、おろおろと硬直状態になっていた。考えてきたはずの祝辞もスッ飛んだようで「えーっと、ありがとうございました!」。勢いよく一礼して、なんとなく出番終了。ブロンド美女を見ただけで緊張していた古き良き時代の中学男子のようだった。

 「天然」や「自然体」をウリにしている芸能人は多いが、実際はフリートークでも台本はある。バラエティー番組のスタッフに聞いた話だが「コメントはもっと○○らしい表現に変えてほしい」などと、その台本にまで細かい注文をつけるケースが少なくない。自己演出であれ所属事務所の指導であれ“作り込んだ自然体”の裏側も見聞きしてきた私にとって、柳楽君は久々に見た本当の天然モノである。

 カンヌ受賞後の記者会見からいい味を出していた。「良かったねと言われているおれは一体誰なんだって感じです」「自分が家族に受賞を伝えたかったけど、おれが伝えられた」。「おれ」を連発する14歳の様子は深夜のコント番組のネタにされてもいたけれど、周りの大人から「ああしろこうしろ」と言われた痕跡がまったくない自然体だった。斜に構えるでもなく、愛想笑いをするでもない。おまけに持ち前の明るさは、いつも渋面のベテラン芸能記者まで笑わせていた。「将来は堂々と演じられる俳優に」という夢そのままのスケールを感じさせた。

 柳楽君の受賞騒動は、話題追求一辺倒の日本の芸能界の実態をあらためてあらわにした。受賞直後からドラマや映画、CMなど2ケタの出演依頼が殺到した。「またか」とがっかりしてしまった。無名だった柳楽君の魅力を見抜いて賞を贈ったのは、クエンティン・タランティーノ審査委員長ら欧米の審査員たち。「カンヌ受賞」の肩書がついたとたんの依頼殺到は、日本の製作スタッフが自ら「見る目」のなかったことを認めるようなものだ。当時柳楽君が「その他大勢」役で出演していたドラマでは、カンヌ受賞の途端にセリフ満載の役に格上げする節操のなさだった。

 渡辺謙が「バットマン」シリーズの実質的な主役である敵役にリストアップされたのは、アカデミー賞ノミネートの前だと聞いている。あくまで「ラストサムライ」の演技そのものが注目されたのだ。「柳楽君に出演してほしい」ではなく「柳楽君にこれをやらせたい」という台本があることを祈るばかりだ。

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◆梅田恵子(うめだ・けいこ)
 文化社会部。芸能担当7年、社会面担当7年。昨年10月からまた芸能担当。趣味は買い物、ミステリー小説。東京・豊島区生まれ。89年入社。37歳。
梅田記者の写真

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