ハーレム男宅に催眠術本あった
東京都東大和市で一夫多妻制のような集団生活を行っていた自称占い師の渋谷博仁容疑者(57)が、この生活に加わるよう専門学校の女性(20)を脅迫した事件で、渋谷容疑者が「出て行けばミンチ」「自分は自衛隊幹部」などと脅していたことが26日、警視庁の調べで分かった。この女性以外にも複数の被害女性がいることも判明した。警視庁では同容疑者の自宅を家宅捜索し、催眠術関係の書籍を複数押収。同容疑者を追及し、ハーレムのような集団生活の実態解明を進める。
調べによると、渋谷容疑者は昨年10月20日午後4時15分から約2時間、被害女性に同居するように迫った疑い。その際「私は自衛隊の元幹部で、周りにはスパイがいる」「ここから出て行けば肉を割かれミンチにされる」「ここでのことを他人に話すと、殺されたり事故に遭ったりする」などと脅したという。
同容疑者は普段から迷彩服を着る姿が目撃されているが、集団生活を始める前の妻(59)は「自衛隊にいたことはない」。警視庁では架空の経歴で女性に恐怖心を抱かせていたとみている。渋谷容疑者は「夢の中に出てきたことを、ただ女性に話しただけ」などと供述。「脅したつもりはない」と容疑を否認している。ハーレムのような生活について「(女性が)5人以上いると、家庭は安定しますよ」と人を食ったような発言をしている。
警視庁捜査1課は同日、渋谷容疑者宅を家宅捜索し、催眠術に関する書籍数冊など段ボール約10箱分を押収。同居女性は同容疑者の供述よりも1人多い11人いることも判明した。また、同課は集団生活を送っている女性のうち8人に任意同行を求め、集団生活に入った経緯などの説明を求めた。
東大和署には「渋谷容疑者に誘われた」との相談が複数寄せられており、脅迫や監禁に近い行為を受けた女性も複数いるとみている。近所の住民によると、04年には福井から「娘を連れ帰りにきた」という両親が同容疑者宅を訪れ、帰る帰らないで大騒ぎになったことがあったという。
同容疑者宅に「ハワイ企画」という看板が立て掛けられ、「アシスタント、事務員募集」の折り込み広告が配られたことがあった。求人広告を見て訪ねた20歳前後の女性は容疑者宅から泣いて出てきたという。話を聞くと「カーテンが閉められた、2階の真っ暗な部屋に案内されていすに座らされた。机には卓上ライトがあって、それを急の顔の方に向けられて『あなたには霊がついている。これを取り除かないと不幸になる』などと強い口調で言われた」と泣いて話したという。
[2006/1/27/08:15 紙面から]
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