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 2004年02月06日更新

冒険隊長・田中正人

<「イースト・ウインド」を率いて世界に挑む>

 チーム「イースト・ウインド」の活動は、もはやアウトドア・ファンや、アドベンチャー・レース愛好家の間では伝説にちかいものになりつつある。

 日本でもいくつかの冒険競技のチームがあるが、「東から吹き付ける風」を意味するイースト・ウインドは、1994年に早くも基軸を結成、幾多の国際的なアドベンチャー・レースにチャレンジしてきた。

 アドベンチャー・レース。

 人は、なぜ自己の限界に挑むのだろうか。

 アドベンチャー・レースの目的は、必ずしも「生死の境目のような危険に身をさらす」ことではない。むしろより確かな安全を主催者も競技者も確保しながら、その範囲内でより激しく、より過酷なサバイバル闘争を繰り広げるのが本来のスタイルだ。

 今では、決して「ごく一部の、アウトドアのプロだけの世界」ではなくなった。

 マラソンでも、100キロレースに挑んだり、山岳レース(トレール・ラン)の完走を夢見る人が多くなってきた。雑誌ランナーズの「国内レース 人気ランキング」では、通常の42キロのフルマラソンには飽きたらず、多くの人が「ウルトラ」領域に強い関心を示し、ベスト5に入ったのはいずれもアドベンチャー領域の過酷なものである。

 海辺でも、ラン・スイム・ランを組み合わせた「オーシャンマン競技」が3年前からスタートし、既存の競技や遊びの枠からアドベンチャー側に一歩踏み出したスポーツが、盛んになってきた。

 21世紀は、人間が野性を取り戻そうと、あらゆる活動を展開する時期なのだろうか。

 野性。

 アドベンチャー・レース冒険のプロ・チーム「イースト・ウインド」を主宰する田中正人氏は、それは知性でもあると言う。過酷なレースの最後の最後に問われるのは、アウトドアを生き抜く練達の技術だけでもなければ、強靱な「野人」の肉体だけでもない。いかに極限で己をコントロールし、残っているエネルギーをチームとして排出できるか。そこには知性、集中力、精神の極致といったものが要求され、「最も疲れ果てるのは、むしろ心の方です」と、告白した。

 日刊スポーツの公式テレビ番組「スポーツ・オンライン」(CS衛星テレビ=スカパー256「朝日ニュースター」土曜日午後11時10分から50分間)では、先週の土曜日、この田中氏をスタジオに招いて話を聞いた。通常の紙面ではなかなか深く掘り下げられない話題やニュースをフォローするのがこの番組だが、田中氏は実にクールに、アドベンチャーの世界を語った。

 アウトドアのプロともなれば、日に焼けた健康そうな顔で、夜室内もプラスチックのサングラスをかけ、白い歯を見せて笑う−−といったパターンを想像しがちだが、田中氏は銀行の課長さんといっても通るような、静かな静かな印象だった。

 「小さい頃はかけっこがいつも1番ビリで、鉄人とは全く逆の位置にいました。クラブ活動は卓球部で…」。67年12月2日生まれ。

 雑誌「山と渓谷」などの読者は、93年に日本では画期的な山岳耐久レースが行われたことを覚えているかもしれない。奥多摩で開催された一昼夜に及ぶそのマラソンを制したのが、埼玉県出身の田中氏だった。

 日本に「冒険レース」の概念が導入された、夜明けのときだった。

 田中氏はそれまで、大内新興科学に勤務していたが、これを機にプロのレーサーに転向した。そのこと自体が大きな冒険だった。

 国際レースとしては、レイド・ゴロワーズとエコ・チャレンジの2レースが最も有名だ。

 アドベンチャー・レースの基本概念は、川や海と山岳のフィールドを組み合わせたコースを、3ないし4日間(またはそれ以上)で走り抜ける。基本はチーム戦で、たとえば「4人のうち1人は女性、もしくは50歳以上の男性」などと規約される。チームでゴールしなければポイントにならない。女性が弱者とは限らないが、チーム内で1番非力な選手を、どうカバーするかも、大きな勝敗の分かれ目になる。

 イースト・ウインドは、94年のレイド・ゴロワーズ(間寛平チーム)を皮切りに、「海外挑戦」の扉を開き、99年には日本チームとして史上初めてエコ・チャレンジ(アルゼンチン大会)に完走した。

 昨年12月にはボルネオで開かれた「マイルドセブン・アウトドア・クエスト」にも出場、総合12位に入った。インライン・スケートなどを含む、エンジョイ派向けの部分もあったが、MTBのステージでは女性の自転車にロープをつけて、男性が引っ張った。

 限界に近づけば、不和も生じる。

 サッカーや野球で「強いチームは内輪もめする」というのも、それでよくわかる。限界に近づくまで、突き詰めているからだ。

 その不和を、どう解消して「勝つため」のエネルギーに変換するか。イーストウインドは田中氏や白戸太朗氏らを軸とした集団だが、出場メンバーは固定ではない。「当然、強烈なサムライ揃いで、個性派。意見の不一致は出てくる。そんな時は、思い切ってレース中でもけんかさせてしまう。自分も横から見てないで、それに参戦する(笑)。そうやって発散してしまうと、ベクトルが1つに集まる」。

 リーダーとしての苦難から生まれた、哲学。

 「今の状況に満足することはできない。あくまでも世界、それも世界のトップを目指します。上位に入賞することは至難ですが、僕らが日本最強であるだけでは意味をなしません」。すごい。

 「アドベンチャー・レースはしかし、僕らアウトドアを職業としている者だけの専有物ではありません。だれもが参加し、冒険し、エンジョイできなくては、僕らのやることも意味がなくなる」。だから「チーム・コチ(東風)」というプロジェクトも、本拠の水上でスタートさせた。だれでも参加できる、アウトドア・アドベンチャーの体験入門のプロジェクトだ。

 頂点を目指し、底辺を広げる。キャプテン田中の挑戦は、これからだ。

 <参考>冒険レースに関しては、www.adventure-j.com、www.adventure-race.net などが詳しい。

著者の言葉
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著者プロフィル
 後藤新弥(ごとう・しんや) 日刊スポーツ編集委員、57歳。ICU卒。記者時代は海外スポーツなどを担当。CS放送・朝日ニュースターでは「日刊ワイド・後藤新弥のスポーツ・online」(土曜深夜1時5分から1時間。日曜日の朝7時5分から再放送)なども。
 本紙連載コラム「DAYS’」でミズノ・スポーツライター賞受賞。趣味はシー・カヤック、100メートル走など。なお、次ページにプロフィル詳細を掲載しました。
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