全種目を終え、日本の竹内洋輔監督(42=日本スケート連盟フィギュア強化部長)が大会を総括した。

団体戦で初の銅メダルを獲得し、男子は鍵山優真(18=オリエンタルバイオ/星槎)が銀メダル、宇野昌磨(24=トヨタ自動車)が銅メダルに輝いた。女子は坂本花織(21=シスメックス)がROC(ロシア・オリンピック委員会)の表彰台独占を阻む銅メダルという快挙を成し遂げた。

大会前に立てていた目標は「金を含む複数メダルと入賞4」。竹内監督は「結果として金メダルは逃したが」とした上で「団体戦で初のメダルを獲得し、男子2つ、女子1つ。過去最多4つのメダルを獲得することができた。入賞は本日のペア(三浦璃来、木原龍一組=木下グループ)を含めて7人。すごい結果だ。とにかくホッとしているし、これからも応援されるように頑張っていく」と笑顔を見せた。

男子4位の羽生結弦(ANA)と女子5位の樋口新葉(明大・ノエビア)も入賞した。その羽生に言及し「クワッドアクセル(4回転半ジャンプ)という前人未到の挑戦をした。結果としては4位というところではあったが、スケート界に歴史を残すような演技を見せてくれた。金メダルと同等の価値があるような、記録とともに記憶に残る結果になったんじゃないかなと思っている」と評価した。

これで06年トリノ五輪以降5大会連続で日本勢がメダルをつかんだ。「たすきを次の(26年)ミラノ・コルティナダンペッツォ大会につなげて、またメダルを獲得していけるように。すぐ世界選手権(3月、フランス・モンペリエ)もあるので、引き続き頑張っていきたい」と力を込めた。

「この2年間、北京五輪に向けて、コロナ禍という中で頑張ってきた選手たちの素晴らしい演技とコーチたちを誇りに思う。国民の皆さんが本当に応援してくださった。サポートしてくださった方々にも感謝を申し上げたい」と頭を下げることも忘れなかった。

小松原美里、尊組(倉敷FSC)がリズムダンス落ちしたアイスダンスについては、昨年末の代表選考で村元哉中、高橋大輔組(関大KFSC)と僅差の争いをした経緯がある。その点には「団体戦も含め、拮抗(きっこう)したことでお互いの力を高め合った。切磋琢磨(せっさたくま)して、この結果に結びついたと思っている」と語った。

国際スケート連盟(ISU)が出場選手の年齢制限を15歳から17歳に引き揚げる案を検討していることには「どのような理由で17歳と提案されているのか、よく理解する必要があると思っている。法律上の問題なのか、選手の健康や障害への影響なのか、何が適切か検討する必要がある」と答えた。今後の高難度ジャンプについても「ルールに合わせ、また、ルール変更も予測して育成強化していきたい」とした。【木下淳】