沙羅ちゃん、涙のラストジャンプ-。新種目のジャンプ混合団体で波乱が起きた。日本(高梨沙羅、佐藤幸椰、伊藤有希、小林陵侑)は1回目で、北京五輪では最後の種目となる高梨沙羅(25=クラレ)が太もも回りが2センチ分、大きいとしてスーツの規定違反で失格。それでも2回目は気を取り直し、98・5メートルのジャンプを披露。着地すると涙を流し、座り込んだ。

高梨は1番手として103メートルの大ジャンプでチームに勢いを与えた思ったが、まさかの失格となった。高梨は泣き崩れ、スタッフに抱えられながら、控室に戻った。日本は3人の合計359・9点でギリギリ8位の通過で2回目に進出。高梨も気を取り直して2回目のジャンプに挑み、大ジャンプを披露した。日本女子エースの意地とプライドが垣間見えた。

国際スキー連盟(FIS)の規則では「直立姿勢で、スーツ寸法はボディーと一致しなければならず、最大許容差はスーツのあらゆる部分において、ボディーに対しプラス1センチ~3センチ(女子は同2センチ~4センチ)とする」と決められている。

高梨の場合は、太もも回りが2センチ、オーバーしていたという。シーズン初めに計測し、数値を提出するため、体重の変化などで誤差が出てくるケースはある。そのため「スーツ規定違反」は珍しいことではないが、北京五輪の大舞台で起きてしまった。

混合団体は今大会からの新種目で、10チームがエントリー。1チーム4人(混合は男女各2人)で構成され、それぞれが2度飛んで合計得点を争う。1回目(4人が1回ずつ飛躍)の8位までが2回目に進む。1回目の上位8チームが2回目に進んだ。