14年ソチオリンピック(五輪)ジャンプ団体で銅メダルを獲得した竹内択(34=チームtaku)が8日、日刊スポーツの取材に応じジャンプスーツ規定違反問題について、Q&Aで解説した。

ジャンプ界の課題として「ルールのあいまいさが問題だ」と指摘した。

【ジャンプ】日本意地の4位「たくさんハグしてあげた」泣き崩れる高梨沙羅を小林陵侑ら励ます>>

(以下、一問一答)

Q 計測の手順は

A 事前に国際スキー連盟(FIS)に身長や手足の長さ、スーツや板のサイズを登録しておく。試合当日は、自分の番の5人ほど前にスーツを着た状態で股下の長さを測られる(股下が長いと空気抵抗が生まれ飛距離が出やすい)。そして飛んだ後、抜き打ちで検査がある。

Q 検査員は選手の性別によって分かれているか

A 男子選手には男性の、女子選手には女性の検査員がいる。

Q 抜き打ち検査の流れは

A 指名されたらコントロール室までスーツを触ってはいけない。検査員がボディーチェックをして、主観でおかしいなと思うところをチェックする。次にスーツを脱いでチェックされた場所を再計測する。沙羅ちゃんの場合は実際の太ももと、スーツの太もも部分を測る。

Q 測る道具は

A メジャーで測る。ここで検査員の個人差が出る。

Q 1試合にどれぐらいの選手が検査を受ける

A 決まっていないが、今回は多い気がする。

Q スーツは何着ぐらい持って行くのか

A 五輪ではだいたい4着ぐらい。でもチームにはスーツを縫う職人が帯同し、生地もミシンも持って行くのでそれ以上にスーツを作ることもできる。

Q サイズを小さくする必要がある場合はミシンで縫うこともあるのか

A ある。選手控室にまでミシンを持って行く

Q 横川ヘッドコーチが「試合前にパンプアップをして筋肉を膨らます」と話したが、そのようなことはあるのか

A 私の経験談に限って言えば、したことがないし、そうしている人を見たことがない。普通は選手の体にスーツを合わせていく。スーツに選手の体を合わせていくことはあまりない。

Q 横川氏が「標高が高いから体重が減りやすい」と言っていたがそうなのか

A 体重が減ることはあると思うが、体重減でサイズが変わるのはウエストで太もも回りはそう変化しない

Q 選手自身もしっかりチェックしなければならないのか

A もちろんそうだが、沙羅ちゃんはプロフェッショナル。しっかりチェックもしている。スーツは五輪用に新調しているが、サイズは今季ワールドカップ(W杯)で使用してきたものと同じ。今回の問題点は計測側にあると見られる。

Q 問題点とは

A まずはルールの曖昧さだ。私もオーバーしていた時「今日はいいけど明日は直して来いよ」と言われたことがある。逆に不信感を持った。検査員によっても測り方が違う。

Q 検査員はどのような人が担うのか

A FISのスタッフだ。基本的にはサマージャンプシーズンから同じ人が担当する。なのになぜ五輪になって急に厳しくしたのかが不思議でしょうがない。【三須一紀】

【関連記事】スキージャンプのルールなど競技ガイド