北京オリンピック(五輪)スノーボード男子ハーフパイプ日本代表の平野歩夢(23=TOKIOインカラミ)が25日、滞在先の米国からオンラインで取材に臨み、意気込みを語った。今季W杯で2勝し、21日のXゲームでは2位に入るなど好調を維持。それでも、「まだ自分のやりたいことをすべて表現できていないところがある。五輪という場で、自分が満足できる滑りを見せられたら」と話した。

昨年12月に世界初めて公式戦で決めたトリプルコーク1440(縦3回、横4回転)を、先日のXゲームでも再び成功させた。北京五輪でも勝敗のカギを握る大技だが「技は基本的な部分があって成り立っている。高回転ではない部分のベースを大事にしていければ、完成度は自然と上がると思っている」。ジャンプの高さや、高いレベルで一連の技を繰り出すことの重要性も口にした。

五輪開幕も近づく中で、最終調整段階に入った。「1日1日大事にしつつ、本番では自分の得意とする滑りを表現できれば」。米国での調整を重ねたあと、北京に向かう予定だ。

北京五輪には、弟の平野海祝(19=日大)とともに出場する。「こうして兄弟で五輪に出られることは貴重なこと。弟にとってもいい経験になるのでは。自分らしい滑りを全力でやってほしい」とエールを送る。

ソチ五輪、平昌五輪と2大会連続銀メダル。スケートボードでの昨夏の東京五輪出場を経て、冬季大会3度目の舞台で初の頂点を目指す。「この4年を通して自分が挑戦してきたものをすべて出し切ったうえで、自分にしかない表現を見せたい。それがいい結果につながれば」。平野歩夢だからこそ示せる、最高のパフォーマンスを北京の地で発揮する。

◆平野歩夢(ひらの・あゆむ) 1998年(平10)11月29日、新潟県村上市生まれ。TOKIOインカラミ所属。家族の影響で4歳からスケートボードとスノーボードを始める。村上一中から開志国際高を経て、日大スポーツ科学部卒。スノーボードのハーフパイプでは中学3年時の13年W杯で初優勝を飾り、五輪では14年ソチ、18年平昌と2大会連続銀メダル。昨夏の東京五輪ではスケートボードで日本人5人目の夏冬出場を果たした。

◆夏冬両五輪に出た日本選手 平野を含めて過去に男子2人、女子3人の計5人。スピードスケート女子で84年サラエボ大会から4大会連続出場し、92年アルベールビル大会1500メートル銅メダリストの橋本聖子は、夏季の88年ソウル大会から3大会連続で自転車の代表に選出。関ナツエと大菅小百合も冬季はスピードスケート、夏季は自転車の代表。男子は88年ソウル、92年バルセロナ大会に出場した陸上短距離の青戸慎司が、冬季の98年長野大会ボブスレー4人乗りに出場した。平野は昨夏の東京大会にスケートボードで出場し、スノーボードで14年ソチ大会から3大会連続出場。