サッカーオリンピック(五輪)日本代表は、過去の五輪と比較しても間違いなく「最強布陣」となりそうだ。エースとして期待されるMF久保建英(20=ヘタフェ)、MF堂安律(23=ビーレフェルト)をはじめ、五輪世代のA代表経験者、海外組ともに過去最多9人。前回の16年リオデジャネイロ五輪では、海外組は2人だった。

「いい守備からいい攻撃」と、鋭い切り替えからゴールを奪いにいくのが森保ジャパンのコンセプト。それはオーバーエージ(OA)にも反映された。A代表でも主将のDF吉田麻也(32=サンプドリア)に加え、久保が「フランス代表の選手と比べてもそん色ない」と驚きを持って話す元マルセイユ所属のDF酒井宏樹(31=浦和)。さらにブンデスリーガでデュエル王のMF遠藤航(28=シュツットガルト)が加わった。最終ラインはほぼ日本代表と同じメンツがそろった。

6月の代表活動で初合流した、そのOA組も、チームの充実を口にする。遠藤は「みんなぎらぎらしている。年齢に関係なく自分のよさをチームのために出そうとトライしている。年上から見ても頼もしい」と語った。A代表と五輪日本代表を兼任する森保一監督(52)が言い続けてきた「五輪経由のA代表ではなく、A代表に入る選手が五輪に出場してほしい」という強化は、しっかりと実を結んでいる。

本大会のキーポイントとなるのが攻撃陣。守備の安定感を求め、A代表でも主軸であるFW大迫勇也(31=ブレーメン)のOA起用は消滅。日本代表が常に課題としている得点力の補強はできなかった。しかし、6月に行われた2試合でチームは懸念を振り払った。U-24ガーナ代表に6-0、ジャマイカ代表には4-0で圧勝。守備が安定したことで前線の久保、堂安らが前を向いて仕掛ける場面が増え、力を発揮することにつながった。

チームは7月5日から開幕に向けた直前合宿に入る。長くA代表を率いて五輪代表を横内昭展監督に任せていた森保監督が指揮をとり、東京五輪に出場するスペイン、ホンジュラスとの最終仕上げの国際親善試合が残っている。し烈な生き残り競争を勝ち抜いた五輪世代の精鋭15人と、A代表でも主力のOA3人の融合はさらに進む。自国開催のリオデジャネイロ五輪で優勝したブラジル代表のように、悲願の五輪初金メダルの可能性は十分にある。【五輪サッカー担当 岡崎悠利】