◇96年アトランタ大会男子サッカー1次リーグD組第1戦(7月22日、マイアミ・オレンジボウル) 日本1-0ブラジル     

 28年ぶりに出場した日本は、いきなり優勝候補筆頭のブラジルと対戦。一方的に押し込まれたが、後半27分にMF路木龍次のクロスにFW城彰二が走り込んでチャンスが生まれる。GKジダとDFアウダイールが接触して転倒、こぼれ球をMF伊東輝悦が右足で無人のゴールに流し込んだ。シュート数はブラジルの28に対して日本は4。GK川口能活が神がかり的なセーブを連発し、ベベットらスーパースター軍団にゴールを許さなかった。

 まだW杯出場経験すらないアジアの国が王者ブラジルを倒したことは、世界的にも大ニュースとなった。徹底したスカウティングで実力差を判断し、守備的に試合に臨んだ西野朗監督の策が見事に当たった。 (2014年8月20日東京本社版掲載)