世界記録には届かなかった。リオデジャネイロ・パラリンピック陸上男子走り幅跳び(切断などT42)銀メダルの山本篤(35=スズキ浜松AC)が世界記録の6メートル77に挑戦したが、5メートル92に終わった。

 7日、東京・上野公園で行われた20年東京パラリンピックの競技体験イベント「ノーリミッツスペシャル2017上野」に出演。司会の松岡修造や観客約1000人が見守る中、ポポフ(ドイツ)が持つ世界記録を狙ったが“ポポフ超え”とはならなかった。

 最終試技となる2本目。手拍子とともに助走スピードもアップ。空中を高く舞ったが記録は5メートル92だった。リオ大会で6メートル62を記録した山本は「絶対に6メートルは跳びたかったけど、今出せるベスト。修造さんの(応援の)力がもう少しあれば…」と笑いを誘い「観客の皆さんには試合会場にもぜひ来て頂き、応援してもらえるとうれしいです」と呼びかけた。この日は特設ステージで実技が行われ、観客は世界トップレベルの跳躍を目の前で見た。

 7月には3連覇の懸かる世界選手権(ロンドン)に出場する。「ロンドンでの試合は非常に盛り上がるので、世界記録を狙って金メダルを目指したい」。

 山本は先月、日本障害者スキー連盟のスノーボード強化指定選手に選出された。2月に初出場したスノーボードの全国障がい者選手権スノーボードクロス(大腿切断などLL1)決勝でいきなり優勝し、18年平昌大会に出場する意志を固めた。陸上の世界選手権後は平昌大会を目指して、スノーボードの国際大会に出場予定。国際大会で一定の成績を残せば、平昌大会出場の可能性も見えてくる。