女子400メートル(視覚障害T13)で佐々木真菜(19=東邦銀行)が1分0秒19のアジア新記録で優勝した。

 同走した昨年のリオデジャネイロ・パラリンピック銅メダリストで、T47(切断など)クラスの辻沙絵(22=日体大)にも競り勝ち、同じくアジア新で制した10日の200メートルとの2冠を達成した。

 5月にマークした新記録を0秒22更新したが、「悔しい。自分では59秒台だと思ったので」とタイムには不満だった。59秒72のベストタイムを持つ辻に残り50メートルで逆転。「初めて辻さんに勝てたのでうれしい」と白い歯を見せた。

 生まれつきの弱視で「視力は0・09ほどで見え方はぼんやり」(佐々木)。昨年、福島県立盲学校高等部を卒業して東邦銀行に入行。健常者と一緒の練習が向上心をかきたて、腕を下げてしっかり振るフォーム改造も好結果の要因になっている。

 世界記録は54秒46。初出場する世界選手権は59秒台での入賞が目標だが、「20年には55秒台を出してメダルを狙いたい」とすでに3年後の青写真も頭に思い描いていた。【首藤正徳】