女子走り幅跳び(切断などT42)で19歳の前川楓(チームKAITEKI)が銀メダルを獲得した。

 反発の強い助走路の影響で歩幅が広くなり、3回目までの跳躍すべてファウルと苦しんだが、「ストライドを意識しながら足を引いて走る」助走に修正。4回目に3メートル43を記録すると、最終6回目にこの日ベスト記録の3メートル79を跳んだ。

 4位に入った昨年のリオデジャネイロ・パラリンピックの3メートル68を上回り、メダルを手にした前川は「3本ファウルしてどう修正していこうかと自分との戦いがあった。最後は踏み切りが合った。メダルを取れてよかった。4メートルを目指していたので悔しい気持ちもあるけど、リオの記録から考えるとよかった」と前川は満足げな笑顔で話した。

 健常者の日本記録保持者の井村久美子(旧姓池田)さんのコーチを受けるようになって、メインを短距離から走り幅跳びに変えて記録が飛躍的に伸びた。ただ金メダルを獲得したイタリア選手の記録(4メートル72)とはまだ1メートル近い差がある。「もう3年しかないし、1位の選手とはすごい差がある。100メートルのタイムもまだまだで、そこは助走スピードに直結するので、そこも鍛えていきたい」と、早くも20年東京大会へ向けた課題に目を向けていた。