12年ロンドン・パラリンピックで金メダルを獲得した世界ランキング6位の日本が、同5位で過去にパラリンピック2連覇の実績を誇るカナダに7-4で勝ち、今大会7戦全勝で完全優勝を果たした。

 開始1分30秒すぎの欠端瑛子(24)の先制ゴールで勢いに乗った。わずか5分間で欠端の3ゴールなどで4-1とカナダを突き放した。さらに欠端から交代した若杉遥(21)も3ゴールを決めるなど、前半を7-1と大差をつけて折り返した。後半は守備のミスなどからカナダに3ゴールを許したが、前半の貯金で逃げ切った。

 昨年のリオデジャネイロ・パラリンピックは準々決勝で敗退して連覇を逃した。今年は20年東京大会での金メダル奪回へ向けた再スタートの年。「リオ後は早い攻撃、パスを出さずにボールを手渡しして、どこからでも攻撃できるような練習に力を入れてきた」と市川喬一ヘッドコーチ(41)。その成果は7試合で51得点を量産した結果として表れた。

 もっとも今大会の優勝を選手たちは手放しで喜んではいなかった。欠端は「優勝はうれしい。(決勝は)スタートで点を決めてリードしたのはよかったが、失点0で守りきれなかった。自分の(守備の)姿勢が悪くて手の間を抜かれたミスもあった。自分自身としては納得できない」と厳しい表情で振り返った。

 今大会23得点を挙げて得点王になった若杉も「コントロールを意識して練習してきたことが結果に表れてきた。得点王を取れたのはうれしい。でも、さらに格上のチームや守備力のあるチームと対戦したらどうなるか。ここで満足はしない」と気を引き締めていた。【首藤正徳】